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不協和音 2
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「いや…俺、明日早いんで」
「早いなら尚更、家に泊まった方が現場近いんじゃない?」
確かにその通りだった。
会いたかった人が、大好きな人が、好意で自分の家に招いてくれようとしているのに、どうしてもそれに簡単に乗れなかった。
雪弥さんが、誰にでもこういうこと言う人じゃないのも知ってる。
ともさんに対しては友情でしかないこともわかっている。
でも、うまく割り切れなかった。
演者としての雪弥さんを見せつけられて、勝手に距離を感じて。
たった数日会えないだけで勝手に寂しくなって。
ともさんと仲良くしてる雪弥さんを見て、勝手に悲しくなってる。
こういう時の身勝手な気持ちをどう整理すべきなのか。
どうやって気持ちをぶつたらいいのかも、分らなかった。
「台本、家に置いたままで…まだ読み返したいんで、今日は帰りますよ」
そう返事すると、雪弥さんは少しだけ眉尻を下げて「そっか」と呟くように言った。
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