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僕と彼女の方程式【ちなは】*02
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いつになくやる気に満ちたきいやちゃんが、期待に満ちた顔で会長サマを見た。
「会長サマも一緒にどう?」
「いえ、私は…」
思わず、会長サマに目配せして合図を送ると、きいやちゃんの背後から両手を合わせる。
「…楽しみにしていますね。」
それに気付いた会長サマが、にっこりと笑顔を作った。
他人にも自分にも厳しくて怖い印象だったのに、笑うと頬にえくぼが出来てガラリと印象が変わる。
「任せて!」
切れ長の目が猫のように細められた。
食べ終わった食器を流し台に運び
「ちなは、デザート。」
「はいはい。」
昨日、作ったリンゴのチーズケーキを冷蔵庫から取り出して、一口サイズに切り分けていく。
「ねぇねぇ、会長サマ。私と勝負しない?」
すっかりご機嫌になったきいやちゃんに、口元が緩んだ。
やっぱり、きいやちゃんは笑顔でないとね。
「これ、上からピアノの鍵盤が下りてきて画面から消えるまでにタップするゲームなんだけど、スコアが上がると、早くなって…」
きいやちゃんが会長サマに音楽ゲームを挑む。
「分かりました。」
「私からやるね。」
会長サマがきいやちゃんと遊んでいる間に、僕は片付けに専念する。
穏やかな時間が流れて…
こういうのも悪くないと思った。
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