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キスから始まる恋愛事情【榎月】*03
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「…その時は、自分だけで解決しようとはせず、誰かに助けを求めて下さい。」
静かな空間に、唾液の飲み込む音が響く。
「誰かにって、誰にだよ…」
ちなはさんの声が微かに震えた。
「まぁ、いいよ。別に女じゃないんだから孕む心配もないし、大丈夫。真面目な会長サマには分からないかも知れないけど、奥を突かれると最高に気持ちいいんだ。今度、試してみる?」
聞き間違いかと思えるほど、いつも通りに振る舞うちなはさんを見て逆に違和感を覚える。
先ほどのちなはさんは、一瞬、怯えているように感じた。
どうやら、彼は抱え込む性格のようだ。
「ご遠慮します。あなたがそれでいいなら、これ以上の口出しは無用ですね。」
ちなはさんを見ていれば、いつか分かるだろう。
きいやさんが言っていた週末の外出と何か関係があるかも知れない。
「…そろそろ離してくれない?」
「済みません、痛かったですか?」
…忘れていた。
「痛くはないけど…」
ちなはさんの言葉で視線を落とすと、ずっと彼の手を握っていたようだ。
「それより、帰る気ないみたいだけど泊まってくつもりなの?」
「…何もしないって、約束してくれます?」
ちなはさんの目が一瞬、大きく見開かれて勢いよく吹き出した。
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