アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
キスから始まる恋愛事情【榎月】*04
-
「んー、どうしようかな…」
わざとらしく悩む素振りを見せるちなはさんから逃れるように、両手をクロスにして自分の胸を隠してみる。
「…何してるの?」
「バリアですよ。自分を守っているんです。」
至って真面目な顔で答えてみると
「何それ。可愛い事、言うね。」
そう言って、笑いながら軽く触れるだけのキスをされた。
「また…」
「隙だらけの会長サマが悪い。」
悪びれもせず、笑顔で新しい歯ブラシを手渡され、完全に毒気を抜かれる。
成り行きで、そのまま一緒に歯を磨き
「寮に入って、きいやちゃんと離れたから夜に一人じゃない部屋っての、何だか久しぶりでちょっと楽しい。」
「私もいつもは、一人なので不思議な感じです。」
ベットに潜り込んだちなはさんが、引き出しから小瓶を取り出し、何かを飲み込んだ。
そして、私の視線に気付いたのか
「ただの睡眠薬。寝付きが悪くて…」
壁側に体を寄せて私を見た。
「警戒しなくても何もしないよ。狭いかも知れないけど、床で寝るよりはマシでしょ?」
「…お邪魔します。」
分かっていたけど…
ベットに入ると、思ってた以上に狭い。
「眠くなるまで洋画、観ていい?」
プロジェクターで投影した天井に、作品のタイトルが映し出された。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
62 / 489