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着せ替え人形【榎月】*07
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「でも、僕が一番好きなのはきいやちゃんだから!!」
ちなはさんが少しキレ気味にきいやさんに叫ぶと
「知ってるよ。」
やけにあっさりと、きいやさんはそれを認めた。
「ごめん、ごめん。そんな顔しないの。お姉ちゃん、嬉しかっただけなんだってば。ちなはに友達が出来て。今まで、ちなはには私だけだったでしょ?」
困ったような泣きそうな顔で、ちなはさんは黙り込んできいやさんを見詰める。
「私以外にも心を許せる人が出来たって事が、何よりも嬉しくて安心したのよ。あんたは常に受け身で、自分から誰かに関わろうとしなかったから。」
きいやさんに頭を撫でられて、静かにゆっくりと目を伏せた。
「恥ずかしかった?でも、ちゃんと言わなきゃ伝わらないよ。」
「きいやちゃんの次くらいに…」
そして、遠慮がちに私を見る。
「…好き。」
可愛いと思ってしまった。
「有り難うございます。」
目を泳がせながら、恥ずかしそうに笑うちなはさんを。
咄嗟に抱き締めたい衝動を抑え込み、伸ばし掛けた手を握り締めた。
「それじゃ、買い物に行きますか!」
きいやさんの気合と共に、ショッピングモールへと足を伸ばす。
恋人のように、仲良く腕を組んで歩く双子の後ろを黙って付いていく。
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