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友達以上、恋人未満【榎月】*01
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「な、何を言って…」
こんなはずではなかったのに。
意外過ぎるちなはさんのあまりに初々しく、可愛い反応に胸がときめく。
以前、瑠璃の書いたボーイズラブの同人誌や商業誌を読んだ事がある。
彼女が遊びに来た日には、必ずと言っていいほど人のベットを占領して、寝転んで読むのは決まってボーイズラブ。
男同士の恋愛や、濡れ場の書かれた小説や漫画が目の前に広がり、手に取ったが最後。
一緒に読む羽目になった。
男同士の恋愛の何がいいのか…
その当時はそう思っていたのに、瑠璃が推していた作品が不意に脳裏を過ぎった。
あの作品と、今の状況が少し似ている気がしたから…
『体から始まる関係』
…ダメだな。
完全に影響を受けている。
瑠璃にこんな事がバレた日には、根掘り葉掘り聞かれて同人誌のネタにされるに違いない。
しかも、実名で。
下手をすれば、ネット小説にアップされるだろう。
それだけは避けなければ。
ちなはさんと私の為に。
「…会長サマ?」
考え込んで何の反応もしなくなった私を覗き込むちなはさんが目の前に見えた。
「…あぁ、済みません。少し考え事をしていました。」
こういう時に、触りたくなる心境は何なのだろう?
ちなはさんの頬を親指で優しく触れる。
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