アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
小さな一歩【ちなは】*07
-
深い溜め息を吐く会長サマに、上手く言葉が出て来ない。
「済みません。あなたに怒っているのではなく、自分に苛立ちを感じていて。こんな事になっているとも知らずに、ずっとあなたを誤解していました。何も見えていなかった自分が情けない…」
「誤解されるように振る舞っていたのは僕の方だし、会長サマが責任を感じる事は…」
怒りに震える会長サマの手を遠慮がちに握る。
「ねぇ、この書き込みの日付って…」
僕が公開処刑された日だ。
その数日前に、食事だけだと言われて行ったホテルでレイプドラッグ被害に遭った。
「恐らく…」
矢濱 海都(やはま かいと)
僕は、彼の父親に金で買われた。
体の自由を奪われ、声を上げる事も逃げる事も許されず、生きた人形のように、ただ男が果てるのを待つ。
最初こそ驚いたが、そういう扱いを受けるのは正直、初めてではなかった為に抵抗しても無駄だと判断した後は、直ぐに諦めがついた。
「もし、事を荒立ててきいやちゃんに何かあったら…」
「ちなはより、私の方が強いんだから大丈夫だって。護身術も習ってるし。」
「でも、何をするか分からない奴らで…」
矢濱は、僕を金の成る性欲処理機だと思っている。
「常識が通用する相手じゃない。」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
115 / 489