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【ちなは】*03
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「ちなはさん、そこにいると頭も撫でられませんよ。」
背中から会長サマの手が届くところまで少しずつ移動して袖の端を軽く握って引っ張る。
「まるで人見知りの猫が、飼い主だけに頭を擦り付けて撫でろと催促しているみたいな…」
瑠璃さんの言葉に、声を殺して会長サマが笑う。
「か、可愛い。何ですか、あの生き物は。きいや先輩と同じ顔してるのに、別物…」
「そりゃ、別人だもの。同じ両親から生まれたから細胞が同じなだけで、同一人物じゃないのよ。違って当たり前。」
会長サマの撫でてくれる手が気持ちいい。
嬉しくなって目を細めた。
「飼い主と愛猫の図。擬人化ネタ頂きました。」
瑠璃さんがそう言って、何故か僕たちに合掌する。
この人は、ちょっと…
いや、かなり苦手かも…
再び、会長サマの背中に回り込んで瑠璃さんから身を隠した。
「…ちなは先輩、逃げないで下さい。ほら、榎月の写真ありますよ。見たくないですか?出てきて下さい。」
猫じゃらしで猫の興味を惹くように、携帯をチラチラと見せる。
「どの榎月がいいですか?初等部?中等部?高等部のもありますね。オフショットの普段着からコスプレまで…」
「瑠璃、あなた…」
会長サマが呆れた顔で瑠璃さんを見た。
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