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【ちなは】*05
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キッチンカーの中央広場から一度、外に出て二階から一階に降りていくと、海獣エリアのイルカのプールを横切り、アシカのイラストが描かれた建物と看板が見えてくる。
「可愛いですね。見ているだけでも癒されます。後ほど、おやつタイムがあるようなので予約しますか?」
「うん、あげてみたい。」
イルカの生体について説明している看板を横目で見ながら、アシカショーの舞台を目指して足を進めた。
手近なベンチ椅子に腰を下ろし、まだ薄暗い水槽を眺める。
時間的に、人も疎らで集まり始めていると言ったところか。
「ちなはさん、始まるまで少し時間があるので、飲み物を買ってきます。何がいいですか?」
「僕も…」
立ち上がろうとする僕を制し
「すぐに戻りますから、ここで待っていて下さい。」
そう言って、僕の頭を軽く撫でて会長サマが売店へ小走りで向かう。
一人、取り残され、靴擦れした自分の足を恨めしく思った。
間もなく、滅多に掛かってこない携帯電話が鳴り響く。
会長サマかと思い、急いで携帯を取り出すと『非通知』だった。
これ、矢濱だ…
ど、どうしよう…
もし、出てしまったら何処かに呼び出されて…
また、誰かに僕を売るか朝まで性欲処理をさせられてしまうかも…
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