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弓道の基本【榎月】*01
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朝練に来た部員たちが、それぞれ入る前に道場に一礼し、神棚に神拝を行い、国旗に拝礼する。
そして、最後に私を見て頭を下げた。
「主将、おはようございます。今日もお早いですね。」
「櫻井部長、おはようございます。これはもう身に付いてしまった習慣ですよ。」
礼儀と作法は、ごく一般的な『当たり前』の事が多い。
人を敬ったり、挨拶をしたり、感謝をする事。
例えば、混雑するところでの移動は弓は立てて持ち、肩に担いで歩かないように心掛ける。
その理由は、他の歩行者の邪魔にならないように気遣う事。
また、弓弦を持ち弓をブラ下げた格好で歩かない。
万が一、弦が切れた場合、弓が撥ねて他人に危害を与える恐れがあるからだ。
それと共に、不格好だと考えられている。
靴や草履を人に揃えて貰った時は、手で揃えてくれた事に対し、手で受けて感謝の意を表す。
そのまま履かずに、必ず履物に手を添えて履くなど。
「彼は…」
部長を務める櫻井 陽葵(さくらい ひなた)が、隣に立つちなはさんと私を交互に見た。
「こちらは、龍雲 ちなはさんです。私たち三年は引退間近ですが、彼が的の前で、一人で安全に弯けるところまでお手伝い出来ればと思っています。」
「分かりました。」
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