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ストレス発散クッキング【榎月】*01
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「…うん、有り難う。」
そんな会話を挟みながら、いつの間にか『帰る』場所となりつつあるちなはさんの部屋に向かって歩き出す。
「あ、そうだ。今日こそは買い物をして帰らないと…」
「では、スーパーに寄ってから…」
頷き合い、マンションの敷地内にあるスーパーに寄って必要な食材を買い集めていく。
「待って、きいやちゃんからメールだ。お昼、瑠璃さんと食べに行くみたい。お金、持ってるのかな…」
首を傾げるちなはさんと一緒にレジに並び、彼が食費の入った財布を開けた瞬間、表情が凍り付いた。
「まただ。また持って行かれた…」
地を這うような声を絞り出し、肩を震わせる。
その場で返品しようとする食材を慌てて引き止め
「ま、待って下さい。私が…」
会計を済ませると、袋に詰めて大急ぎで部屋に戻る。
「…ごめん、会長サマ。僕に時間をくれる?」
そう言って、座った目で何かを作り始めた。
「あの、何かお手伝いを…」
「…今日は要らない。」
固まりになった小麦粉を思い切り半狂乱で、作業台に叩き付ける。
「本当に、いつもいつも…」
ちなはさんがブツブツと口の中で呟き、親の敵のように小麦粉を引き千切り、叩き付ける姿が般若に見えた事は、墓場まで持って行こう…
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