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性少年【榎月】 *02
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彼は、まるで他人事のように目を細めて笑った。
肩まで伸びたふわふわの黒髪に、男女でありながら親ですら見間違う中性的な顔付き。
その上、不純異性交遊ならぬ、同性との『名残』を残した桜色に染まった肌と、ふっくらとした濡れた唇は思わず目を奪い、吸い付きたくなるほどだ。
そして、物欲しそうに見上げてくる瞳には『男』だと分かっていても、つい手を伸ばしてしまいそうな雰囲気が漂っている。
『何』が『彼』をそうさせたのか…
この学園内で、彼の名前を知らない者はいない。
「再三お伝えしていますが、時と場所を考えて頂かなくては他の生徒たちに示しが付きません。私としても、あなたのプライベートに立ち入るつもりはありませんが、健全な学び舎での不埒な行動は困ります。」
険しい表情の私に動じる事なく、彼は綺麗に薄く口元だけを緩ませた。
「…お説教なら、ごめんだね。」
彼には、何とも言い難い危うさがある。
「あなたのしている事は、あなた自身をも傷付けています。もっとご自分を大切になさっては?」
まるで自らの意思を放棄し、どこか諦めにも似た雰囲気を持つ彼を持て余す。
「あなたのご家族も、きっとこの事を知れば…」
「…嘆く、か。」
彼が小さく呟く。
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