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MemoryⅢ
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職員室に着くと、
羽崎先生が校長室に入れてくれた。
「校長が来るまで
少しお話しましょう。
硴嶺さんは都張さんと
仲が良さそうですが
今日あったのですか?」
「いえいえ、
小中と同じで仲良くなったんです。
高校まで一緒なので自然と2人で
行動しちゃうんです」
「そうなんですか…
何か好きな物とかありますか」
「好きなものですか…小説ですかね」
「実は私も小説好きなんです。
本ばかり読んでいたので
人の感情を読み取ったり話したり
することが苦手なんです」
「えっ、それでよく
先生になろうと思いましたね」
「ふふふ、私でも何でなったのか
分かっていません」
「先生面白いですね~
年が近い感じがするんですけど
先生は何歳ですか」
「これでも今年、31歳の中年です」
「なら私も中年なのか」
そう言って入ってきたのは羽崎先生と
同い年くらいの男の人だった。
「いえいえ、貴方は
まだまだお若いですよ、校長」
「それは嬉しいね、
はじめまして硴嶺くん。
私は九重高校の校長、巴 槇那だ」
「はじめまして、硴嶺 涙斗です」
「ここに呼んだ理由は分かるかい?」
「成績が悪かったとか……?」
「アハハハ、違うよ、
君は学年一位の成績だったよ」
「あれっ、でも新入生代表挨拶は
別の人でしたよね」
「君にはこっちで話さないと
いけないことがあったからね」
「余計に何で呼ばれたのか
わからないのですが…」
「君は何故修学旅行、宿泊学習に
小中どっちも参加していないのか
気になってね……
いじめられてた訳でもなさそうだし
何故かなって思ってね」
「それを聞いて何があるんですか?」
「知らないのかい、
この学校の毎年恒例の合宿の事。
山に生徒を置いて行って
自給自足生活を一週間するってやつ」
「えっ、そんなものがあるんですか?」
「やはり知らなかったか……
毎年、サボるものが出てきて退学に
している地獄の合宿と呼ばれるものだ
だから、君みたいな何故か
宿泊学習、修学旅行だけを
休むものには理由を聞いているんだ」
「なるほど……」
「それで君は何故修学旅行、宿泊学習を
一回も行かなかったのか?」
「それは…………
先生達は
先天性中枢性肺胞低換気症候群
別名 オンディーヌの呪い
という病を知っていますか?」
「分かるかい?羽崎くん」
「私はなんとなく……」
「簡単に言うと普段は何ともないのに
寝る時に呼吸低下
もしくは停止してしまう病です。
この病の人達は人工呼吸器を使用
して睡眠を取るようにしています
だから僕は宿泊学習、修学旅行等の
お泊りのところには行けないんです」
「そういうことか……」
「本当にそんな病の人が居るなんて…」
「なる確率はとても低い奇病です」
「そういうことなら我々は君の
合宿の参加は拒否せざる負えないな。
他の者にはなんと言っておこうか」
『校長、もうそろそろ準備を』
構内アナウンスで呼ばれた
校長は走って行ってしまった。
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