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MemoryⅣ
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「とりあえずどうやって
誤魔化すか考えますか……」
「合宿っていつですか?」
「5月です」
「5月!?」
「はい………
毎年、クラスごとに行うので……」
「何でですか?」
「遭難者が数多く出る為
GPSが必要なのですが……
1回に確認できる人数が
1クラスが限度なんです」
「そうですか……」
しばらくの沈黙の後、
「誰かこの事を知っている人は?」
羽崎先生にそう聞かれた。
「家族以外には誰も………」
「ですよね…」
「何回か告げようと思ったんですけど
その頃中学校で睡眠薬の過剰投与に
よる殺人事件が起きた頃で
とても言える状況じゃなくて……」
「わかりました、何回か倒れるフリを
して体が弱いアピールをすれば!!」
「それでは都張くんには
どう説明するんだ?」
いつの間にか戻ってきていた
校長先生に羽崎先生の案は
簡単に反論されていた。
「そうでした……
小中同じなんですよね……」
「1つだけ手はある」
「何でしょうか」
「それは…硴嶺くんも
合宿に参加するという事だ」
「でも、そんな人工呼吸器
なんて設備あそこには……」
「日帰りなら問題ないだろう」
「1日目は良くても2日目以降は?」
「君が頑張りたまえ、羽崎先生」
「そ、そんな〜」
「給料上げるよ」
「でも…」
「分かった、私も行ってあげよう」
「えっ?」
「極度の方向音痴だから運転できるか
心配だったのだろう?
だから私も行くと言っているのだ」
「ならそうしましょう」
「硴嶺くん、くれぐれも
バレないようにするんだよ」
「はい」
「後、入学式中どうした?と
聞かれたら生徒会への勧誘と
答えなさい」
「えっ?」
「生徒会は君に拒否権は無いけどね」
「はい…」
そう言って僕は校長室を後にした。
教室に戻るともう皆入学式から戻って
おり各々自由な行動をしていた。
「どうしたんだ?」
そう後ろから声をかけてきたのは
亜留だった。
「ちょっと生徒会への勧誘だった」
「あ~なるほどね…
涙斗母さんが心配症だから、
渋ってたんだろ?」
「うん…」
「結局、そのやつれようから入る
羽目になったと……」
「強制だって……」
「どんまい…」
亜留に慰められながら、
先生の話をスルーし帰宅した。
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