アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
craneⅥ
-
(夜鶴side)
案外、早く涙斗は来た。
そして案外早く俺の拘束痕に気付いた。
一応、忠告をしながらも
何をされたかと質問される前に、
俺は色んな話を振った。
そして涙斗と別れると
「………夜鶴………」
知らない人に名前を呼ばれた。
そのまま駆け足で家に入ると
母さんが不思議そうな顔をしていた。
そのまま部屋に逃げ込むと、
インターホンが聞こえた。
そして「貴方………」
母さんから悲しそうな声が聞こえた。
その口調からなんとなく、
自分の父さんなんだろうなと思った。
俺は、父さんを見た事ない。
俺が生まれる前に
父さんは捕まっていたからだ。
何故、捕まっていたのかは
母さんに聞いても、
暗い顔をするだけなので、
その話題をしないことにした。
俺はこっそりリビングへ行くと、
「元気だったか?」
と聞かれた。
「誰ですか?」
「お前の父さんだよ」
「父さんは捕まっているはずです」
「今日、保釈金を
払ってくれた人が居てね……
そういえば、多鶴は何処だ」
そう言うと母さんが大袈裟に反応した。
「多鶴は出て行きました」
「あの……多鶴さんって誰ですか…」
「夜鶴の兄貴だろ?」
「えっ?」
父さんの発言に母さんは
泣きそうな顔をしていた。
そんな空気の中インターホンが鳴った。
俺は気まずくてインターホンに出ると
羽崎先生が来ていた。
そうか……無断欠席扱いか……
ドアを開け、羽崎先生を玄関に招くと
「今日はどうしましたか?」
と聞いてきた。
本当の事を言えるはずがなく、
「ちょっと体調が悪くて……」
と嘘をついた。
「そうですか、今は元気に
なったようで良かったです。
では私はこれで……「多鶴!?」
いつの間にか後ろに居た
父さんが驚きを隠せない様子で居た。
そういえば、先生の名前も確か……
「お前、多鶴だろ!?
よくも、私を売ってくれたな」
殴ろうとしている父さんを
母さんが必死に止め、
一気に顔色が悪くなった先生は
「私は綾瀬さんが言うところの
多鶴さんではありませんので、
これで失礼します。
夜鶴さん、明日は元気に
登校してくださいね」
と言ってフラフラの
状態で帰ろうとした先生の手を
父さんが思いっきり引っ張り
先生が転びかけたのを俺が支えた。
「綾瀬さん……
すみませんが人違いですよ」
「嘘だろ?ならば上着を脱げ」
「嫌です、私はまだ仕事があるので」
「俺の言う事聞かないと、
また昔みたいにするぞ」
父さんがそう言うと、
先生が震え始めた。
「ここでは流石に寒いか、
リビングへ行こう」
「………お邪魔します」
先生は父さんの言うことに従い始めた。
リビングへ着くと、
父さんは先生をソファーに押し倒した。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
21 / 81