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滲む味/伝う汗(102頁)※
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◆ ◆ ◆
『っ、……だ!』
どうしてこうなったのだろう。
肝心なことが抜け落ちたまま、彼と肌を重ねていた。
暴れようとする身体を力だけでねじ伏せ、胸から腹にかけてを何度も撫で回す。
その皮膚に俺の色を塗り込むように。
『……いやだっ、やめてよ!』
俺はいま、己の快楽のためだけに、彼を泣かせている。
『こんなの……、やだってば……!』
あれだけ泣かせたくないと思っていたはずなのに、拒絶される度に欲望は高ぶっていく。とめらなくなる。
『やだぁああああ! やめて! たっ――』
震える口元に、唇を近づけていく。
まるで復讐するような気持ちで――。
どうせ終わるのなら、最後に一度くらい――。
『……、ひ、ろ……』
しかし、俺の後頭部をぐっ、と掴んでその身に引き寄せたのは、
『離さない。龍広』
彼、ではなかった。
『……龍広』
耳元で、ささやく声。
ゆっくりと這わされる舌。
絡まる脚。
『一緒に、いきましょ……。もっと、もっと……』
逃れようとしても、もう遅い。
俺の意識はその白すぎる肌と艶やかな赤に飲み込まれていく。
『壊して、あげる』
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