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「じゃあ、あとで薬買ってくるか……。とりあえず少し食べな」
「……ん」
当然だが、タオルをかぶったままでは食事なんてできない。
少し考え、小さめのタオルを首に巻くことにした。
俺がグラスの水を飲んでいる間に、テーブルの上は片付けられ、食事の準備がされていく。
兄は昔から段取りが良い。
今も台所とテーブルの間を必要最低限の往復で済まそうとしている。
何か考えているらしく、ブツブツ言っている。その姿は少々不気味だが、横顔のほうは真剣だ。
与えられたミッションを誠実にこなすプロフェッショナルといったところか。
しょせんは家事――と、適当にしてもいいはずだが、兄は細かいところに真面目なのだ。
日常の些細なことにも手を抜くことなく、真摯にこなしていく。
そんな兄が己の夢を叶え、活躍しているのは当然の結果なのかもしれない。
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