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臆病者/破壊者(155頁)※
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「……あーあ。この姿勢だとやることなくて退屈ね」
「――ッ!?」
急に彼が動き出した。
その身体が大きく後ろに傾いたことで、張り出したものが上顎に擦り付けられる。
慌てて目を開くと、ケティの手に何か握られていた。
黒くて、薄い長方形。
数分前まで、俺の服に入っていたはずの――。
「ンンッ!」
慌てて口を離そうとしたが、後頭部をぐっと押さえつけられ、それは叶わない。
「ほら、サボらないで」
左手では俺を掴み、右手ではその長方形を親指で操作している。
青白い光に照らされたケティは驚くほど冷静で、余裕たっぷりだった。
「うぅん! ……っ!!」
いくら抗議しようとしても、太いものに阻まれて届かない。
彼の視線は小さな画面にそそがれたままだ。長いまつげがまばたきの度、ふわんと揺れる。
「――ねぇ、龍広」
こちらを見ようともせず、ケティは紅い唇を開いた。
「この履歴にある『響』っていうのは、誰なのかしら?」
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