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「初めてにしては、上出来ね」
「……っ、が……!」
必死に咳き込む俺の頭を撫で、ケティはククッと喉で笑う。
「もっと上手になれば、きっと悦ぶわよ。響くんも」
「……ッ!」
悔しくて悔しくてたまらなかった。言葉の代わりに目の奥に力を入れ、睨み上げる。
「あははっ!」
だが、ケティは少女のように明るく笑っただけだった。
すぐさま俺の肩を掴み、体重をかけてくる。起き上がろうとする動きは封じられ、仰向けに押し倒された。
「……っ、放せ、このっ……!」
「そうそう! その顔よっ! それが見たかったの!」
興奮したように叫び、ケティは俺の両手を捕らえ、ねじ伏せ、頭の上で縛り付ける。
「いつもみたいに、嫌がりながらおもいっきり感じてるところ、見せて」
「くっ――!」
「理性がズタズタに壊れていくところ、早く見せて」
甘えるようにささやくと、強張る俺の頬にスマートフォンを押し当てた。
「少しでも逃げようとしたらどうなるか、……分かるわよね?」
「……うっ、うう……」
ひたっ、という冷たくて無機質な感触に身がすくむ。
素直にうなずくしか、なかった。
「いい子ね」
彼も洋服を脱ぎ捨て、一糸まとわぬ姿になる。裸の胸を重ね合わせると、鼓動がつたわってくるようだった。
「龍広のそういうところ、好きよ」
ケティはゆっくりと自らの身体を揺さぶり、まるで獣のように肌を擦り付けてくる。
「ふふっ……」
時折、笑みと吐息をもらしながら、全身で俺を味わう。
「ああっ!」
胸の突起が擦れ合うと、勝手に腰が震えた。
身動きできなくなったせいで余計に感度が増したような気がする。だが、そんな自分を認めたくはない。
「あ、……っうん!」
それでも、身体は確実に熱を帯び、ベッドは壊れそうに軋み、熱情を誘う。
「素敵よ……龍広の身体……! 本当に、素敵っ……、もっと……知りた、い……」
ケティはうわ言のように繰り返している。汗を塗り込むような動きの中、硬くなったものが太腿に当たった。
「……っ、龍広……たつ、ひ……」
「くっ……、ぅあ……」
激しさは徐々に増し、声にも余裕が無くなっていく。
――そのとき、だった。
湿った空気を断ち切るような音が聞こえた。
何かが、振動している。
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