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「はぁ、っは……」
もう、それを恥じる気力すら無い。
「……はっ、あーー、……ぁああっ……」
絶頂に達した身体の疼きは止まらない。獣の鳴き声のようなものが、勝手にあふれていく。
「いっぱい出ちゃったね」
ケティは嬉しそうに、まだヒクついている俺の腹や胸、頬を舐め始める。
「響くんに聞かれながらでそんなに興奮した?」
わざとらしく舌先だけでつつき回し、上目でこちらの反応をうかがっている。
「好きな男の声を聞きながら犯されて、気持ち良かった?」
黙れ。
「ぐちゃぐちゃになりながらイクところ、響くんにも見せてあげたかったなあ」
黙れ。
「……こっ、こん、な、……こと、し……て……」
俺は、笑っていた。
「……楽しい、か……」
どうしようもない喪失感に震えながら、笑っていた。
「ええ。とっても」
ケティはまた唇を重ねてくる。ねじ込まれる舌を押し返す気力も無く、一方的にむさぼられる。
その舌を介して、自分の性の味を感じてしまった気がした。
涙が止まらなかった。
苦痛でも、快楽のせいでもなく、果ててしまったことへの虚しさがあふれていく。
「本当に楽しいのはこれからよ……」
ケティはキスを終えると、唾液まみれのアゴを乱暴に掴んだ。
「ねっ、“たっくん”」
悪魔が、いる。
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