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扉の向こうに立っていたのは、拓海兄さんだった。
「……ケ、ティ……、お前っ……!」
しばらく呆然と目を見開いていた兄は、口をパクパクさせながら声をしぼり出す。
「あら、もう帰ってきたの」
一方のケティは平然と返した。
数秒前のうわ言とはまるで違う。
今までずっと起きていたかのような、とても鮮明で落ち着いた口調だった。
「……ねぇ、拓海」
兄が何か言う前に――まるで先手を打つように――言い放つ。
「あたし達、もう、別れましょ」
まるでこの瞬間が来ることをずっとずっと前から知っていたかのような――。
「この通りだから」
そうだ。
きっと彼はすべて予期していたのだ。
わざわざ火曜日を指定したのも、何度果てようが離してくれなかったのも、すべてはこの時間に合わせるためだったのだ。
彼の思惑通り、その瞬間は訪れてしまった。
心臓の鼓動が一気に早まり、首の後ろがチリチリと熱くなる。
兄が目の前にいる。もう、言い逃れはできない。
俺も身を起こそうとシーツに手をつき、腰を上げようとした瞬間、
「――ッ!?」
突然、後ろから彼の指が滑り込んできた。こんな状況だというのに二本一気に。
「んっ――、ああ!?」
ぐち、と粘液が泡立つ音と共に、激しい抜き差しが始まる。
とっさにベッドに顔をうずめ、声を抑えようとした――が、髪を引っ張り上げられ、強制的に顔をさらすことになる。
「……っ、……や、だあっ!」
立ち尽くす拓海兄さんにむかって。
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