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潤の欲しいもの 3
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「潤は、学校では一人っ子っぽいけど、家では末っ子っぽいかも」
と瑶は感想を述べた。
「叔父様の心が、現実の俺に向いていないのがわかるから、安心して愛情を受け取れないんだ。肩透かしを食わされるのは、嫌だからね」
「肩透かし?」
と瑶が聞き返すと、潤は、
「期待して裏切られるのは、こりごりなんだ」
と答えた。
「泣きわめいているのは、赤ん坊の頃の潤なんだろうね」
「泣きわめいているって……」
「だって、さっき、泣きわめいていたよね?」
と瑶が指摘すると、潤は、恥ずかしいのか、うつむいて、おじ様の枕をつかんでは引っ張りながら、
「そうだけどさ……」
とブツブツつぶやいた。
「赤ん坊の頃は、母親が唯一の人だけど、もし、その人の心が他の心配事なんかでいっぱいだったら、表面的に赤ん坊に対するケアが十分でも、本当にして欲しいことを察知できないから、一生懸命頑張ってお世話していても、ネグレクトといっしょになっちゃうんじゃないかと思う」
「うん。精神的に全力を傾けてほしいというか、百パーセントでないと嫌なんだ」
「虐待って、何も殴る蹴るじゃないんだよね。特に精神的虐待は。精神的虐待と言っても、一見、愛情やお世話が充分に見えても違ったり。繊細な問題なんだよ」
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