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譲と隼人 4
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隼人が、怯えたような目を、すがるような上目遣いにして、俺の情に訴えかけようとしてきた。
「確かに高校生の頃は、自分の性指向に悩んでいたから。だから、隼人さんの的確なアドバイスは、俺を楽にしてくれたし、感謝もした。あなたのことを愛しさえしたかもしれない。大人なあなたに憧れていたから。だけど、その後のあなたの態度は許せなかった。意思が弱くて流されただけとかなんとか、そんな言い訳されて」
俺は、憤って、当時伝えられなかった、想いのたけをぶつけた。
「悪かった。僕は、本当に意思が弱くて……」
隼人の震えた仔犬のような目は、俺の嗜虐心を煽った。
「弟に毎晩掘られたわけじゃないなら、誰にもしてもらえなくて、ずっと寂しかったでしょう? それとも、恋人がいる? 肛門科とか泌尿器科に」
「譲は?」
「いる、年上のきれいな男だ」
「まさか、高校の近くの本屋の?」
「なぜ知っている?」
俺は、不意をつかれて焦った。
コウのことは、隠しておこうと思っていたからだ。
「譲のことが気になって、譲としたあのことが忘れられなくて、つらくて、学校帰りの譲のあとをつけたことがあった。そしたら、譲は、あの本屋に入って長い間、出てこなかった。別の日に、あの本屋に入ってみたら、二階からきれいな男が降りてきて、店主と話していた。『譲君、最近、医学生とやったらしい』僕のことだと思った。『お前、振られたな』『嫉妬するなよ。譲君が俺に惚れてるからって』ショックだった。僕以外の人と付き合っていたなんて」
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