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高校生の譲 1
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そんな幼少期の記憶も、高校生だった俺は、大学生だった隼人に話したと思う。
もっといろいろ話した気がする。
潤のことだけではなくて。
自分のこと。
学校で上手くいかないこと。
男友達に惹かれてしまうこと。
男同士ですることが、皆にとっては普通でないことへの苛立ちと戸惑い。
親父に対する怒り。
イライラして昴を虐めてしまうこと。
潤をどうしようもなく好きなこと。
疎外感に悩まされていること。
孤独を感じること。
はたから思われているほど、自分は強くないこと。
でも、いくら自分が助けを求めたくても、自分の問いに答えてくれる人がいないこと。
高校生の時、大学生の隼人に何を話したのかもう覚えていない。
それくらい洗いざらい、友人にも話せないような自分の弱さ、悪徳、家庭の事情まで話したと思う。
親父が潤にしていることを聞いたら、あるいは、親が同性愛者らしいということを人が聞いたら、その聞き手は驚いて、俺から離れてしまうだろうという恐怖があった。
自分がそうでなくても、親が悪事を働いていたり、マジョリティではないということは、自分にも責任があるような気がしていた。
自分も非難されたり、そういう親に育てられた自分は異常でおかしいと言われたりするのではないかと恐れた。
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