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高校生の譲 3「譲と隼人と友人」
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友人がなにごとにも寛容だったのはラッキーだったのかもしれない。
そもそも寛容だったからこそ、俺と友達になってくれただろうし、俺が家にきても自分の兄とばかりベタベタしているのにも頓着しなかった。
が、その寛容すぎる無頓着さは、俺のことなどどうでもいいというようにも受け取れて、俺には、物足りなかった。
俺を情熱的に愛してくれないのは物足りない感じがした。
冷めている、と思えた。
その点、隼人は違った。
俺の素直な情熱に応えてくれた。
高校生の俺のバカげた情熱を、さらなる子どもっぽいとも言える情熱で返して盛り上がってくれた。
だから俺は、すっかり隼人が好きになって、長期休みの度に甘えていた。
それでも最初、隼人は、高校生の俺を気づかって、手も触れようとはしなかった。
言葉と微笑みと優しさだけで、返してくれていた。
その、大洗家の人々と違う公明正大な態度に、俺は、ますます魅了された。
愛していながら手を出さないで愛情を表せる人間もいるんだ、とはじめて知った。
両親は、俺や昴に何もしなかったけれど、親父の潤への行為は、思いっきりおかしかったので、俺は、戸惑っていた。
いやらしいことをされないですんでいる俺がラッキーなのだろうが、さりとて潤を助けられもせず加担しているのは心苦しく罪悪感があり、心に秘密をつくることになった。
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