アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
トモと昴「酔漢」※
-
「今のうちに別れた方がいいと思う?」
「知らんわ、自分で決めろよ」
また、酔っ払いが一人、新しい缶ビール片手に帰ってきて、俺の肩に寄りかかりながら言った。
「寄っかかんなよ、気色悪いな。この酔っ払い、肘痛えわ」
と言って払いのけようとして、ひょっとしてこいつ、と思った矢先、
「トモって、可愛いな」
と言われ、ホップ臭い唇を押し付けられた。
ぬめっとした唇の感触にゾッとして、手の甲で唇を拭った。
「女とかやめて、俺としない?」
なんだよこいつ、そういうことかよ。
「女じゃねぇし」
「まじ? その相手、男?」
しまった、と思ったが遅かった。
「そいつ許すまじだな。俺とやろうぜ」
と言いながら、耳をベロベロ舐めてきた。
昴のが上手いな、と冷静に思っていた。
「ここだとやばいだろ」
と俺は席を立って、自分の部屋に帰った。
そいつはついてきた。
「こいよ」
俺は言った。ビビっていると思われたくなかったからだ。ナイトキャップ代わりにやってやるのも悪くないと自分に言い聞かせた。
そいつは缶ビールを部屋のドア近くにある電話下のテーブルに置き、ふらついた足取りで近づいてきて、俺をベッドに押し倒した。
正面から倒れこむように体重をかけられた。背中に、コイルが一個一個独立してないタイプのベッドマットの感触がした。
糊のきいたプレスされた真っ白な木綿のシーツとカバー。化繊綿の薄い掛け布団。天井の景色。そいつの荒い息。
俺のシャツをまくりあげ、デニムのボタンとジッパーを下げて、そいつの手が俺のものに触れた。びくんと反応した。そいつは下着の上から舐めた。下着の上からちゅうちゅう音を立てて吸いやがる。
「トモの下着の染み、最高」
そいつは変態ぽく俺の下着をめくって覗きこみながら言った。
俺はただ、首を左右に動かして、快感に耐えた。
そいつは俺の下着の中を覗いた後、またしまって、上から俺の局部を揉んだ。
「あー、あー」
俺は、投げやりな喘ぎ声を立てて快感を逃した。
そいつが俺の顔を見ていた。俺と目が合った。そいつが俺の上にのぼってきた。よく知らん人間の顔。俺は目をつぶって、そいつの唇と愛撫しあった。濡れた唇の感触。女のアソコみたいな貝みたいな感触。昴のことが頭をよぎったが罪悪感は感じなかった。
昴のことを想像すると興奮が高まった。昴も受け身だけど積極的だ。こいつはどうなのかな。口ほどにもないんだろ、挿れようとしたらビビる……。そいつが俺の下半身を脱がしにかかった。まてよ? こいつ、俺に挿れる気だろ。
「おい、挿れるとかは、なしだぜ」
「バーカ、お前に挿れるのが目的なのに、ここでやめるわけないだろ」
俺はそいつの頭を足で押した。
「ってぇー」
舌だか唇を噛んで切ったらしく、起き上がり、立ち上がり、拭った手の甲と唇の端に、こすった赤い血の線がついた。
「怪我させたか、ごめんな。じゃあ、終了だな。傷口から感染させたら悪いから」
と言っておいて、俺はさっさと起き上がってシャツをインしてデニムにつっこんで、しっかりベルトを締めた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
83 / 252