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トモと昴「トモと木村」日曜午前
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日曜の午前中、俺はテニスコートで友人の木村のプレイを見ていた。サーブの時のしなる背中の筋肉、ひねった腰だとか、衣服の下の酷使され蹂躙される筋肉を想像していた。
そして、はっとした。
男の友人を変な目線で見てしまうのも、昨夜三人も男に言い寄られて変なことになったのも、きっと、昴とのことがあったせいだ。
今まで、男にこんなに言い寄られることなどなかったのだから。
昴とも、最初はただの友人同士だった。
それなのに、昴が触ったり舐めたりしてきて、思いがけず虜になってしまった。
朝、木村が、スマホをにらんでいた俺に、
「なんで、トモが、そんな男と付き合うはめになったんだ?」
と聞いてきたから、
「触られたり……したことから、ずるずると」
と答えた。
舐められたということは、言いにくいので伏せた。
「触られたり? ぼかして言ってるけど、それ、襲われたってことだろ?」
「いや、いきなりやられたわけじゃないし」
「やられ……」
木村は、いったん口をつぐみ、何から言おうか考えているようだった。
「触るのだって、性暴力だよ」
「いや、俺は男だから」
「男だって被害にあうんだよ」
「知ってるよ。知り合いにそういう子がいるから」
ジュン君のことを思い浮かべていた。
「だったら、なおさら、そういうことに敏感でいないと。その知り合いの子だって、トモに助けを求めてきたんだろう?」
助けを求めて? え、それどころか、俺、昴に言われて、嫌がるジュン君に無理やりしたんだけど。
「認めたくないのはわかるけど。襲われたなんていったら、まるで弱いみたいだもんな。でもそう言って意地を張ってる間は、傷ついてる自分を癒せない」
「別に傷ついてないよ。その後、付き合っているんだし」
とは言ったものの、自分は襲われたんだと問題を明確化すると気分が落ち込んだ。
傷ついてる気もしてきた。
昴が俺を好きになんかならなかったら、なっても我慢してくれていたら、と思った。
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