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行くと言っても、全員で行くわけではなく、数人だけで行くらしい。
「何があるかわからないから、その時の状況に瞬時に適応できそうな奴をこちらで選ばせてもらった。」
そう言って赤司が名前を呼んだのは四人。
まずは赤司自身。
次に俺ww
その次に真ちゃん。
最後に青峰。
俺抜いたら全員知り合いだけど、どうなってもそうなりそうだからもうこの際気にしないw
赤司の意見に反対する奴はいなかったから、探索はすぐに始まった。
…さて、いつ言おうか。
ホールの外は明かりがついていないから結構暗かった。それでも、完全に見えないわけでもなく、ぼやーっとだがなんとなくそこに何があるかわかる程度だった。
赤司、俺、真ちゃん、青峰の順に並びながら慎重に足を進める。
『最も危険なことはおそらくバラバラになることだろう。くれぐれも単独行動はするな。』
赤司が出発する直前に言った言葉はかなり合っていると思う。こんな暗い中バラバラになったら、見つけられる気がしないww
「なあなあ赤司。」
ふと足を止めて赤司を呼ぶ。俺の声に赤司も足を止めて振り返った。
「なんだ?高尾。」
「ここ、モールじゃねえのかな。」
「モール?」
実は、俺は結構夜目が利く。最初は目が慣れてなかったけど、他の奴らも段々目が慣れてきていると思う。でも、多分俺の方がいろんなものが見えてると思うw
それに。
「俺、俺の周りの少しの範囲なら見てなくてもなんとなくわかるんだよね。鷹の目(ホークアイ)って呼んでんだけど。」
特殊能力?みたいなものが俺にはある。いつから持ってるかは覚えてないけど、少なくともここに来るより前から。
「そうなのか。実は僕もそう思っていたところだ。あそこ、informationって書いてあるだろう。その後ろにはぼやーっとしか見えないが店らしきものもいくつか見える。」
俺ははっきり見えるけどなwww
「ってことは、ここがどっかのデパートってことは確実だな。」
「ならば、出入り口がどこかにあるはずなのだよ。」
出入り口、ねえ。
「俺達を連れてきた奴が出入り口を開けっ放しにしとくとは思わねぇけどな。鍵がかかってるか、誰かに見張らせてたりとかしてるんじゃね?」
俺の言葉にぐっと詰まる真ちゃん。
ごめんね、真ちゃんww
「その可能性は高いな。出入り口が見つかっても油断はしないでおこう。」
赤司が言い終わり、また歩き出す。すると、真ちゃんが後ろから話しかけてきた。
「……高尾。」
「ん?ナニナニ?真ちゃん。」
足は止めないけど顔だけ振り向く。
「だからその呼び方……ハァ、まあいい。礼を言おうと思ってな。」
礼?
「このわけのわからない状況にすこし混乱していたようだ。お前の発言で少しは冷静になれたのだよ。」
まあ、こんな状況で混乱するなって方が難しいけどな。
俺?俺は別♪
にしても。
「真ちゃんってお礼とかするキャラだったんだww」
ツンデレかと思ってたwww
そう言うと、真ちゃんは明らかに顔を顰めた。
「フン、礼など言った俺が馬鹿だったのだよ。」
「ごめん、そんなつもりで言ったんじゃないってwwてか、そんなの気にしなくてもいいってwこんな状況だろ、混乱してない方がおかしいから。」
そう言ってから、あ、しくったかなと思う。
混乱してない方がおかしい。
それって俺じゃん?
でも、真ちゃんは俺のそんな心配に気づいていないみたいでホッとした。
気を取り直して前を向いた。
まだ、行き止まりには当たっていない。ホールからずっと直進し続けてる。
暗いから、曲がるのは危ない。そのことを赤司が配慮してるんだろう。
「あ、エスカレーター……」
ふと、道の両端にエスカレーターがあるのに気づく。赤司もそれに気づいていたみたいで、「とりあえず直進し続けよう。」と返された。
赤司、ちゃうちゃうww
足を止めた俺に、真ちゃんがぶつかった。青峰はぶつからずに止まる。俺が止まったのに気づいた赤司も止まって振り返った。
「高尾?どうした?」
赤司がこちらに近づいてくる。俺は赤司を真っ直ぐに見ながら口を開いた。
笑ってるつもりだけど、多分、うまく笑えてない。
頭ん中はこんなに笑ってんのにねww
「違う。エスカレーターがあるって言ったんじゃない。」
うん、エスカレーターがあるの知ってるww
「どういうことだ?」
俺が言ったのは。
俺が言いたかったのは。
「右の、エスカレーターで二階に行ったところ、そこに、なんかいたって言いたかったんだ。」
「……!」
俺の一言に、その場に緊張が走った。
「…道の端に寄れ。」
赤司の命令に、素早く、でも音は立てないように端に寄る。
「……どんなんだったか、分かるか?」
青峰が声を抑えながら訪ねてくる。でも、いくら夜目が利くといってもこんな暗さでは限界がある。おまけに明かりがないから色も分からない。
「……よくは分かんなかった。でも、やけにゆっくり歩いてた。あと、結構でかい。」
もう一つは、流石に今は言えない。
「一度ホールに戻ろう。音は立てず、できるだけ早く。」
赤司の言葉に相変わらず反対意見はいない。
話が分かる奴らっていいなww
俺達は道の端を急いで戻った。
ホールには急いだからか結構早く着いた。慎重に扉を開けて、中に体を滑り込ませる。俺達に気づいた待機組が駆け寄ってきた。
「大丈夫っスか?走ってきたんスか?」
そこで、少し肩で息をしてることに気づいた。俺だけじゃない。外に出ていた奴全員。
とりあえずホールの真ん中らへんまで行って円をつくるように座る。
時計を見ると、意外にも30分経っていた。
「とりあえず、わかったことを報告しよう。」
やけに重々しく、赤司が話を始めた。
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