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全員の足がぴたっと止まる。俺は急いで振り返って化け物を確認する。
動いてない。相変わらず自分の頭をぐちゃぐちゃ噛んでるだけだ。重心を保てないのか、体が揺れて目がゆらゆらしている。でも、動いてない。
〝気づいてない。〟
「ふぅ、大丈夫だった。火神、バッドは拾わなくていいから歩け。ほら、黄瀬もはや…………く……」
いや待て、おかしい。
もう一度振り返って化け物を見る。
相変わらず動いていない。ただゆらゆら突っ立ってるだけ。
「………黄瀬、火神、氷室。」
でもおかしいだろ、それは。
「俺が合図したら全力で走れ。後ろは見んな。」
だって、さ。
〝なんでこっち見てんだ。〟
さっきは逆側向いてただろ。俺が弾丸の欠片投げたのはお前の後ろだぞ。
「…気づかれてる。」
俺がそう言った途端、化け物は突然走り出した。
速いw
「っ!走れ!!!!」
俺の叫びで一斉に走る三人。黄瀬だけが振り返ったが、止まることはしなかった。
火神が落としたバッドを拾って化け物に投げつける。
木製のバッドは金属バッドよりいくらか重い。その分ダメージも大きく、バランスを崩した化け物がその場に倒れた。
でも、倒れる直前、持っていた腕を投げつけられた。飛んできた腕は俺の腹にナイスヒットして、意外にも俺はちょっと吹っ飛んだ。
おいおい、なんつー馬鹿力なんだよww腕だぞ?www
急いで起き上がったが、化け物は既にかなり近くまで来ていた。
口が大きく開いて、化け物の頭の残骸がボトボト落ちる。
「まさかそん中に俺を入れる気かよ!?w」
咄嗟に銃で目玉を撃った。乾いた発泡音が二回なる。一つずつ両目にヒットして、化け物が初めて叫んだ。
『ヴォォォオオオ』
コエー!!wwwwww
ホルスターからもう一丁銃を取り出して、右足だけを狙う。
パン、パン、パパン、バンパン。
何発撃ったかは分かんないけど、気持ち悪い音と同時に化け物の足が崩れた。
それを確認してすぐにホールの方へ走る。化け物は足負傷で動けないから追ってこない。
それでも、俺は全速力で走った。
そりゃもう、世界記録じゃね?ってくらいww
走って、走って、走って、ホールの扉を急いで開けて入ってすぐ思いっきり閉めた。
ちょっと走っただけなのにかなり疲れてて、もう動けないくらいだったけど扉の近くにいるのはどうしても嫌だったから、這うようにしてみんなのいる中央に行った。
あれだあれ、匍匐前進w軍がやる腕だけで歩くやつww
「高尾っち!大丈夫っスか!!」
黄瀬が途中で手を貸してくれて、なんとか中央までたどり着いた。
見てみると、さっき探索に行ってた奴らはまだ肩で息をしていた。体力はそんなに使ってなくても、精神力の方を使ったんだろうな。
「高尾、君…助かったよ、ありがとう。」
「すまねぇ…俺がバッド落としたから……」
「気にすんな、ってww結果、まだ生きてるしさww」
適当にフォローを入れつつ息を整える。
あれかな、ヒッヒッフーとかやったら落ち着くかなwww
やってみたけどあんまり変わんなかったww
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