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replay third
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三階には料理屋が中心的にあった。ラーメン屋、イタリアパスタ、焼肉食べ放題、寿司屋など、ぱっと見ただけでもかなりの種類の店が揃っていた。
でも、具材とか多分腐ってんだろーなw
喫煙室に着いてひとまず中に入る。ちゃんとここを使っても大丈夫なのかを確認して、化物がいないかも確認してから荷物を置いた。
ラッキーなことに、喫煙室のスライドドアにはロックがかけられるようになっていたから、入ってすぐにロックをかけた。
喫煙室は全面透明なガラスかプラスチックでできていて、煙が出ても大丈夫なように換気扇もついていた。向かい合った二つの壁に固定されている椅子は、全部合わせて十六個。
「体痛えー………っ!!痛っ!いったぁっ!!」
ドカッと椅子に座った途端体を駆け巡る激痛。慌てて立ち上がったからさらに痛いww
床に座ろうかとも思ったが、ホコリだらけ過ぎて座りたくない。しょうがないので椅子を何個か使ってそこに寝た。肘掛けがないのでかなり助かった。
「あ"~……」
休んだらまた外行かなきゃなあ~……
傷超痛えーよー…
あ?、寝ていーかなー…
かなりの眠気に襲われてるなうw
でもまあ、少しくらい寝てもいいよな。
だって俺、結構頑張ってね?w
どーせこのモールに朝も夜もねえんだし、いっか。
むしろ時間帯ずらして真ちゃん達と鉢合わせしないようにしないといけねえし。
「ってことで、オヤスミ~w」
少しずつ落ちていく意識の中で、誰かに名前を呼ばれた気がした。
でも、それについて考えるより前に、俺は深い眠りについた。
*
気がつくと周りは真っ暗で何もなくて、俺はぽつんと突っ立っていた。
何がなんだか全くワケがわからないけど、これが夢だってことは分かる。
あるよねたまに、そういうことww
てか、夢なら多少無茶してもいいんだよなw
とりあえずぐるっと見渡して、何もないのを確認して口を開いた。
「花いちもんめすーる人この指止ーまれー!!」
夢だから左腕も背中も痛くない。
左手を腰に当てながら右手の人差し指を高く上げた。
多分この夢は普通の夢じゃない。
だって俺こんな夢見たことないし、夢ん中でこんなに自由に動き回れるの初めてだもんww
俺の予想は的中し、何処からともなく大勢の子供達がやってきて俺の右手の人差し指をつかもうとジャンプしてきた。
『とーどーかーなーいー!!』
「へいへいww」
その子供達が届く高さまで指を下ろすと、あっという間に指どころか手が見えなくなるほどの手が伸びてきた。
うぇいうぇいうぇいww
あまりの押しの強さによろけて倒れそうになる。
すると、少し離れたところから、他の子供達より年上に見える女の子が現れた。
『ほーら。そんなにギュウギュウに集まったらお兄ちゃんが困っちゃうでしょー?』
あ、肌色の、髪……
『肌色の髪の、女の子……その箱、持ってた……んだ…』
瞬の言ってた言葉をふっと思い出した。そして、その声がこないだの夢のロリちゃんと同じことにも数秒差で気づいた。
つまり、アレだ。
この子、重要人物。
だってその首には、俺の探してる木箱がぶら下がってる。
「ねえねえロリ……キミなwキミも花いちもんめする?」
『うん!する!!』
適当に二つに別れて、それぞれ一列に手を繋ぐ。
ロリちゃんは俺と違う方に行った。
出たしは俺から。
「勝ーって嬉しいはーないちもんめー!」
『負けーて悔しいはーないちもんめー!』
前後に動きながら木箱を見つめる。綺麗な模様が施されているそれは、カラカラと音を立てながら揺れる。
「とーなりーのおーばさーんちょっと来ーておーくれー!」
『鬼ーがこーわくーていーかれーません!』
「お釜を被ってちょっと来ーておーくれー!」
『お釜がないのでいーかれーません!』
「お布団かぶーってちょっと来ーておーくれー!」
『お布団やーぶれーていーかれーません!』
「鉄砲もーってちょっと来ーておーくれー!」
『鉄砲なーいのーでいーかれーません!』
「あーの子がほーしいっ!」
『あーの子じゃわーからんっ!』
「そーの子がほーしいっ!」
『そーの子じゃわーからんっ!』
「そーだんしーましょ!」
『そーしーましょ!』
ここで円になって、向こう側から欲しい人を決める。相手も決めてくるから、そしたら勝負が始まる。
「んじゃー誰がいい?w」
俺が笑いながら聞くと、全員揃って『お兄ちゃんが決めていーよー!』と言ってくれた。
可愛いやつらだぜ、まったくww
「じゃー、あのお姉ちゃんにするか!あの木箱持ってるおねーちゃんw」
『みれ姉だ!わかった!!』
また一列に戻って「きーまった!」と叫ぶ。すると、向こう側も一列に戻って叫んだ。
「みれ姉ちゃんがほーしいっ!」
『お兄ちゃんがほーしいっ!』
ロリちゃん改めみれちゃんが前に出る。それに対抗するように俺も一歩踏み出した。
花いちもんめは、欲しい人同士がじゃんけんをして、勝った方に負けた方が貰われていく。
まあ、言っちゃえばじゃんけんで全てが決まるってわけ。
「『じゃーんけーんぽんっ!』」
俺は勢いに任せてグーを出した。
なんか昔っから好きなんだよね、グーww
みれちゃんは………
「やったーー!!!」
チョキだった。
『お兄ちゃんすごーい!!』
歓声を上げる子供達に振り返ってピースサインを送る。
『あー、負けちゃった。』
残念そうに笑うみれちゃんが首にかけていた木箱を外した。
『お兄ちゃん。』
「んー?なになにどした?みれちゃん。」
『私とこの箱は別々なんだけど、どっちが欲しい?』
うそん!www
もう一度振り返ると、また『お兄ちゃんが決めていーよー!』と言われたので、迷いなく木箱を選んだ。
『じゃあ、木箱は隠すから、お兄ちゃんが探してね!』
え、今くれんじゃねえの!?w
そう思ったけど、よく考えたらこれ夢だから貰っても意味ねえよなww
「隠すってどこに?wヒントちょーだいww」
『その鍵で開くところにあるよ!』
ホルスターを指すみれちゃん。そこには、俺が拾った少し古びた鍵が揺れていた。
『宝探しだよ!』
「(*・∀・)ゞ了解!!」
と、後ろにいた子供達が一人、また一人と消え始めた。
え!?……え!?
現状に追いつけないでいると、みれちゃんが口を開いた。
『お兄ちゃんの夢が覚めるんだよ。』
そーゆーことねww
『お兄ちゃん、ちゃんと箱見つけてね!』
「任しとけ!ww」
話してる間にも子供達は続々と消え、残るはみれちゃんだけになった。
『……お兄ちゃんでよかった。』
どの意味だろう。
ココにきたのが?それとも、
「その箱を見つけたのが?」
俺の問いに、みれちゃんは軽く笑うだけだった。
そして、すうっ、と、溶けるようにみれちゃんは消えた。
俺はまた一人、闇の中に取り残された。
でも、少しずつ意識が薄くなっていってるのがわかる。
目が、覚める。
ホルスターについている鍵を握り締めながら、ギュッと目を閉じた。
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