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気がついたらどこだか分からないモールのホールにいて、見たこともないが秀徳の生徒──高尾に出会った。
高校入学によって離れたはずの元メンバーもいる。
状況がさっぱり分からない。
しかし、人事を尽くす為には取り乱してはいけない。
そう思っていたが、取り乱さないのは無理だと言えることばかりが連続して起きた。
流石の赤司も、すこし動揺している。
なぜ分かるって?ふっ、三年間同じチームだった奴のことだ。分からないわけがないのだよ。
しかし、高尾だけは全く取り乱している様子はない。
寧ろ、何か隠しているような素振りが時々見られた。
それでも、高尾は俺を庇った。大怪我まで負って。
信じるには怪しすぎる。しかし、疑うには……
そう思ったのは、間違いだったのだろうか?
高尾は出ていった。秘密を教えてくれないまま。
そんなの、疑うしかないのだよ。
バスケ、好きなんだろう?
まだ高校にも行けていないだと?
なら、ここを出て問題が解決したらバスケができるではないか。
俺は、俺はお前と………
バスケが、したいのだよ…。
なぜこう思っているかなどさっぱり分からない。
しかし、想像してしまう。
俺と高尾が、バスケコートで拳と拳を合わせている情景を。
ホールでは、重々しい空気が流れている。
高尾が出ていって、数時間経った。
…まだ誰も、動いていない。
「……ったく、マジでダリぃぜ。」
動いたのは、青峰だった。
バッドを持ったまま引き出しへ行き、柄が長めのハンマーも手にとった青峰は、そのまま外へ続く扉へと向かった。
「まて大輝。何処へ行く?」
すかさず止めようとした赤司に、青峰は振り返らないまま答えた。
「どこって外に決まってんだろ。脱出だって、外に出なきゃ始まんねーだろ。」
あと、と付け足しながら振り向いた青峰は、いつもどおりの表情をしていた。
「あの高尾って奴。敵には思えねーな俺は。勘だけど。」
そう言って扉を開けた途端、青峰は何かを見つけたように走って出ていった。
すると、今までお菓子を食べてばかりだった紫原が急に立ち上がったと思うと、ハンマーを持って扉から外に行った。
出ていく直前「みどちんはいいの?」
と言われ、なんとなく高尾が浮かんだ。
「何だというのだよ……っ!!」
扉から外を見てみた俺は、次の瞬間無意識に外に走り出した。
視線の先には、血だらけで化け物に捕まえられている高尾がいた。
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