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the same
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俺とお前らは同い年だけど、俺が来たのは俺が中二の時だ。
だから、俺はここにもう1年半はいる。
ここには、俺と四人の仲間も一緒に連れてこられたんだ。
最初は赤司が考えたのと同じように、誰かに誘拐されたんだと思った。
全員同じところで記憶がとんでるし、そん時は全員一緒にいたからな。
でも、ホールの外に出たりしてるうちに、だんだんそうじゃないって分かった。
化け物がいたから。
明らかに人間じゃない。それとは全くかけ離れた存在の生き物、いや、生きているのかすら怪しい存在がいた。
一匹じゃない。いっぱいだ。
そいつらは俺達を見つけると躊躇なく襲ってきた。
銃もほかの武器もあったし、俺達はもちろん戦ったよ。
勝てた時もあった。怪我もしたけど、モールの方には治療具もいっぱいあったし、なんとかやれてた。
でも、所詮俺達は人間で、あいつらは化け物だった。
死んだよ。みんな。
3ヶ月くらいで。
生き残ったのは俺だけ。
しかも、死んだ奴らは化け物になって俺たちを襲ってきた。
明らかに化け物なんだよ。でも、顔とか、歩き方とか、そういうところが、確かにあいつらだった。
みんなが死んでからは、俺は一人でやってきた。
挫けそうで、もう諦めてもいいんじゃないかと何回も思った。
でも、ここを脱出して元の世界に戻ったら、死んで化け物になった仲間も何もか元通りになってる気がして、そう信じたくて、俺はずっと生きてきた。
それに、あいつらをいつまでもあんな格好にさせておきたくなかった。
そうやって、1年と3ヶ月、ずっと一人で生きてきたんだ。
でも、急にお前らが現れた。
前触れもなんにもなかったから、最初は敵かと思った。
だから、何も言わなかったし、一切信用してなかった。
ぶっちゃけ、めんどいと思ったよ。
でも、探索に出てるうちに気づいたんだ。
「こいつらも、俺達とおんなじように連れてこられたんだ」ってね。
「……だから、話そうと思った。隠してて、ごめん。」
俺が話してる間、赤司ですら口を挟まなかった。
だから、話し終わったあとにめちゃくちゃ言われることを覚悟していた。
「……そうか。」
でも、そんなことはなくて。
ただ、受け入れられた。
ポン、と真ちゃんが頭に手を置いてきて、そのまま頭を撫でられる。
じわっと涙が出てきて、必死に下を向いて隠した。
まあ、多分バレてんたけどねwww
「……正直に言えば、聞きたいことは山ほどあるのだよ。」
俺の頭に手を置いたまま話し出す真ちゃん。
「しかし、何も急ぐことはないのだよ。
……俺達は、死なないからな。」
…エスパー、かよ。
別に、信用されなくてもよかった。
傷ついてもよかった。
でも、瞬を人殺しにはしたくなかった。
もう誰にも、死んで欲しくなかった。
カチャカチャとせわしなくメガネの位置を直す音が聞こえてくる。
……なあ、真ちゃん。
今なら俺も、エスパーになれるんだぜ。
真ちゃん今、照れてんだろ。
ここに来て、俺は初めて真ちゃん達と分かり合えた気がした。
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