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心機一転 3
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すぐに席に通され、メニューに簡単に目を通し、頼んだのは食べ慣れたハンバーグオムライス。
おそらくこの店一番のレギュラーメニューだ。
注文したメニューは、そう長く待たされることなく運ばれてきた。
僕は小さな声で「いただきます」と言い、両手を合わせスプーンを手に取った。
東京でもよく食べていた。
全国にあるオムライス専門のチェーン店
可もなく、不可もなく。
値段相応の味。
落ち着くなー、この味。
最近は送別会続きで、飲みの席ばかりで、こういったご飯ものをしっかり食べるのは久しぶりな気がする。
移動で疲れてるから、おなかすいてたし。
こういう時は、食べなれたものを選んで正解だったかもしれない。
自分の保守的な選択。
仕事ではあまりこういう面は出ないけれど、自分に関するものになると、僕は急に臆病になる。
保守的で、何かを変えるのがとても苦手だ。
気がついたらいつもの流れ、いつもの選択、いつもの動作で1日を終えている。
転勤と言い渡された時のように僕の意志ではない、別の力による変化なら、意外と容易に受け入れられるのに。
自分で決断出来ない。
そういう部分を、変えて行きたい。
そう学生時代から繰り返し思っているけど現実はなかなかに厳しい。
恋人に関してもそうだ。
どうして、みんなそんな簡単に付き合ったり別れたりの選択が出来てしまうのか。
いっそのこと「今日からお前とお前は恋人同士!はい決定ー!」みたいな。
どこかの誰かに、そう決めて貰えるなら、僕もここまで拗らせないのだろうか。
見合いでもするか?
いや、そもそも見合いなんて、結婚が前提なものだし。
そこまでの決断や選択が僕にとっては重荷になりそうだ。
何より、そんな半端な気持ちでお見合いなんてするのは相手にも失礼極まりない。
うちの会社は独り身が出世に響く、なんて事は上司の顔ぶれを見る限り無さそうだけど、いつか僕もそんな人生の選択をする日が来るのだろうか。
全くもって想像が出来ないな…。
僕はそんな下らないことを考えながらオムライスを平らげた。
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