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まどろみ 2
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僕は何とか三枝の腕の中から抜け出して、一旦トイレを済ませて、もう1度三枝の待つベッドルームに戻る。
ベッドに横になるのは躊躇われたけど、何の衣服も付けていない状態では心許なくて、三枝に導かれるまま、再度ベッドに潜り込む。
三枝の話では、僕は飲みの席で日本酒を飲んでいるうちは良かったが、何を思ったか三枝の飲んでいるラムコークを飲んでしまい、そのまま悪酔いコースだったらしい。
そして、意識を失った僕の家がわかるわけもなく、ホテルに放り込んでも、土地勘がない僕が困ってしまうだろうからと、三枝の家まで運んだ、という説明を受ける。
そうか、ここは三枝の家なのか…。
元々名古屋が地元だというから、てっきり実家暮らしかと思っていたけど、寝室からすぐにリビングが見える辺り一人暮らしなんだろう。
他に誰かがいる気配もないし、もし居たとしたらリビングから寝室へのドアが開きっぱなしでこんな事態になることもないだろう。
何より見に何一つ付けずに僕がトイレに行けるわけもない。
昨夜、飲みながら仕事の話をしていて、勉強になることも多かった。
お互いに、それぞれの仕事の成果がちゃんと耳に届いていて、それについての議論も楽しくすごせた。
名古屋でもより良い仕事が出来そうだと、安心と期待で気持ちも楽になった。
そこまでは良かった。
三枝の飲んでいる飲み物がやたら美味しそうに見えて、一口飲んでみたいと思った。
そこまでは僕も覚えている。
あれは、ラムコークだったのか。
僕の記憶では、そこから一旦途切れ、続きはもうベッドの上だ。
ふと目を覚ましたら、心配そうに僕を見る三枝の顔があって、何故か無性に甘えたくなってしまって…。
あぁ、そうだ。
僕からキス、したんだ。
そこからの記憶は悲しいほど、鮮明だ。
僕の最低な喘ぎ声も煽る台詞も。
三枝の僕に触れる熱っぽい指先も。
全部記憶にある…。
「…悪い、迷惑かけた」
三枝の説明を聞いて、絞り出すように出た言葉はそれだけだった。
「迷惑なんて思ってねぇよ。体調は大丈夫なのか?二日酔いとかは?」
「それは大丈夫。ごめん、僕が悪かった。でも、今日のことは忘れて欲しい」
「何、言ってんだ」
「酒の勢いでの間違いでしょ?こんなの忘れるしか…」
そこまで言葉をつむいだところで、強引に唇を塞がれる。
「ん…!?んん…っ」
舌をねじ込まれ、かき回される。
息をする間さえも与えて貰えなくて、唇が離れた瞬間に僕は咽てしまう。
明らかに怒っている、乱暴な口付けだった。
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