アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
まどろみ 3
-
「忘れろ…か。お前は、そうやって逃げるんだな。6年前と同じように」
「逃げるって…三枝だって、酒の勢いとはいえ色々とやりづらいでしょ…」
「酒のせいなんかじゃない、俺はお前の事が好きだから。逃がすつもりねぇよ?」
「馬鹿なこと言うなよ。僕は忘れたいよ」
僕の言葉に、三枝が自嘲気味に笑った。
その瞳は据わっていて、光を宿さない。
「わかった、蒼汰は忘れていい。俺は酒のせいなんかで人を簡単に抱くような男じゃないけどな。あぁ、そうだ、酒のせいじゃない証拠に、今からでもお前のこと抱けるよ?どうせ、お前が忘れるんだったら、別にどうなろうといいよな?」
低い三枝の声が響く。
理不尽な言葉だと思うのに。
僕はその場から動けなかった。
三枝は僕の抵抗に構うことなく、また唇を寄せベッドの上に僕を組み敷く。
三枝の体重で動きを封じられた僕はいよいよ何も抵抗する術が無くなってしまう
「…三枝…嫌だ」
「嫌?昨日は凄い良さそうだったのに?」
「や、やめ…ふぁっ」
首筋を舐め上げられた瞬間、自分の意志とは関係なく出てしまう声。
最悪だ。
「こんなの洒落にならない・・・っ」
「洒落?忘れようとしてるお前に洒落もなんもないだろ?・・・でもま、俺も嫌がってる相手を無理やりっていうのは趣味じゃないからな」
覆いかぶさっていた三枝の身体がその言葉と同時に離れたかと思うと、三枝は笑顔で僕を引き起こして腕の中に抱きとめる。
「だから、蒼汰が自分から俺にして欲しいって思うように仕向ける」
悪魔のような台詞と共に。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
20 / 36