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愛の恐怖は死より強い Ⅳ
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…?
なんだこれ…?
原稿用紙を入れるくらいの大きさの茶封筒
の中には
何十枚もの俺の写真
いつの間にこんなもの撮られてたんだ俺
写真を持つ手がガタガタ震えてきたのを片手
で抑え込んで必死に落ち着け、落ち着け、
大丈夫、これはただの悪戯でどうせ同じ寮の
誰かのもんだ 大丈夫、大丈夫………
写真には大阪支社に転勤してからの俺の行動
がこと細かに記録してあった
…会社の寮に入っていく俺の姿も
途端に恐怖が湧いてきて俺は全開にしていた部屋のカーテンを急いで閉めた
しょう…翔太に電話しよう…翔太、翔太っ
震える手を自分の携帯に手を伸ばすと肘に茶
封筒があたり全部出したと思っていた封筒の
中から便箋が1枚滑るようにこっちに飛びたしてきた
恐る恐るその便箋を手にとり見るとそこには
[俺の可愛い優 毎日毎日仕事大変そうだね。
身体壊さないか心配でしょうがないよ。
でも大丈夫、もし優が身体壊したら俺が看
病にいってあげるからね、安心して。
この前優、会社の飲み会で桐生義孝っていう
ヤツに絡まれてたでしょ? アイツ、俺の優
に触るから一瞬殺ってやろうかと思ったけ
ど、優が悲しい思いするのは嫌だったから
やめたよ?でも、優が嫌だったなら殺ってあ
げる。飯田の住所も全部調べてるから、い
でもいってね。 いつか、優にあいにいくよ。
優、愛してる ]
コイツ、頭おかしいんじゃないのか? 俺のユウ…?
ユウって俺のことなのか?俺はユウ……?
会いにいく…?看病……?殺す……?
「ヒッ………!し、翔太…た、助けて…恐い
、 恐いよ…!!」
ガタガタ震える手で何回も携帯を落としなが
ら、翔太の電話番号を呼びたそうとしたとき
あのストーカーに翔太のことだけは絶対に
知られたら駄目だ…これは、俺だけで対処
するんだ 翔太に余計な心配だけはかけち
ゃ駄目だ
携帯を閉じてその場に立ち尽くした
翔太と再会出来るまであと二ヶ月
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