アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
パニック_1
-
ここ、どこ?
体が動かせない。
かろうじて意識を取り戻したけど瞼が重くて気を抜くと閉じてしまいそうになる。
何とか、まばたきを繰り返すと薄暗い場所に目が慣れてくる。
大きなベットに寝かされているみたいで、首をぐるりと見回すと大きなテレビと窓のない部屋。
水を流す音がしてる。
これって、ラブホテル?
勘弁してくれ。
両手は現場で使うロープで頭上に縛り上げられている。
上半身はワイシャツ1枚で、下半身はパンツ一丁だ。
ざぁーっと血の気が引く。覚えがあるような嫌な状況。
なんとか下半身を動かしてベットの端まで移動する。
カチャリ
扉の開く音がして恐る恐る見ると、タオルを巻きつけただけの河野さんが出てきた。
スポーツをやっていただけあってその体は筋肉がついてがっしりしている。
僕が起きている事に気付くとニヤリと笑って近づいてきた。
「起きたのか。事情は聞いたよ。まさか南野が男と、なんて考えもしなかったよ」
事情?何の話をしているんだろう。
頭がぼんやりしたまま何も理解できないでいると
押し倒されるように突き飛ばされる。
のしかかってくる生暖かい体。
マズイ。
この体制では逃げ切れない。
「こ、河野、さん、やめてください。一体どういう」
言いかけた口にタオルが巻き付けられる。
「乱暴にされないと感じないんだって?こんなかわいい顔してるからてっきり処女かと思ってたけどとんでもない淫乱なんだってなぁ。もっと早く手を出しておけばよかったよ。」
勝手な事をしゃべりながらワイシャツのボタンをひきちぎるように外されて体が視線にさらされる。
「すげー白い。体も女みたいだったんだな。こんなとこにキスマークつけちゃって、昨日も誰かとヤったんだ。この傷はSMでもしたの?」
鎖骨の火傷痕に指を這わせる。
そんな訳ないだろうー。
さわるなっ、さわるなよーっ。
叫びたくても声は全部タオルに吸い込まれてしまう。
気持ち悪い
湿った肌、中途半端な体温、生暖かい息
何もかもが気持ち悪い。
暗い気分で生きていた時間が蘇ってくる。
離れてください。
お願いだから触らないでっ
ばたばたと足を動かしたつもりが、全然言う事をきかなくて体が少し揺れただけだった。
昨夜、優也さんが大きく付けた首筋のキスマークをみて不機嫌な顔をしたあと、乳首を一回り大きくみせるようにつけられたキスマークの上にかぶせるように唇をのせる。
そして、いきなり強く吸い上げられた。
「ふぐっ、ぐううっ」
いたい、いたい。千切れてしまうような痛み。
歯を立てられたようで血がにじんでいる。
そうしておいて、その血を舐めとるかのように乳首ごと吸い上げる
「ぐううっ」
やめてくれ。本当に。
この人は優しい上司だったはずだ。
一体どこでこんな事になってしまったのか。
体中が痛くて動けない情けなさと、この状況に理解ができなくて涙が出る。
「なに、感じる?ヤラれる側って、こっちがたたなくても感じるんだろ?」
全く反応のない下半身を撫でる。
意味がわからない。
布の上から乱暴にさすられて、どこか擦れてしまったようでひりひりする。
気持ち悪い。
抵抗できないように縛られて、無理矢理体をなぶられる。
これはアノヒトと同じ行為だ。
僕が一歩、踏み出そうとすると過去が僕を蝕みにくる。
結局、前には進めないのか。
ほの暗い気持ちが僕を包もうとしている。
両足を高く持ち上げられて、パンツまではぎとられる。
大きく股を開かされた僕の体はぎらぎらした河野さんの眼前に晒された。
「ちゃんとついてるものはついてるんだな。」
垂れ下がったままのそこをピン、と指で弾かれる。
生理的な反応でピクンとはねる体。
それを見て、にやにやと嫌な笑いを浮かべると僕の口からタオルをはずしながら言った。
「入れてやるから舐めろよ。ちゃんと濡らしてくれないと南野いたいだろ?」
耳を疑った。
聞き返す間もなく、首元にまたがったまま腰に巻いたタオルを外して完全に立上がった物を僕の口によせてきた。
口を開けない僕に焦れたのか、鼻を摘まれる。
そして、その先走りで口周りをべとべとにされる。
気持ち悪いのを通り越して震えが起きる。
息が苦しくなって、ぷはっと口を開けたところに勢い良く差し込まれて嘔吐きそうになる。
カシャッ
シャッター音が響いて目を開けると河野さんが携帯を構えている。
写真をとられた事に気付いたけど、この体勢を逆転させる力はなくて。
「噛むなよ。噛んだらこの写真、名前入りでネットにバラまくよ。」
ぞっとした。
僕はこんな事にまだまだ足を引っ張られるのか。
同性のはずだ。
レイプされたって警察に駆け込める訳でもない。
ぐいぐい口の中を犯す勢いで腰を進めてくる塊に憤りを覚えながらも舌を這わせる。
一度吐き出せばその気もそがれるかもしれない。
何も考えないように口の中だけでそれを満足させようと唾液を集め吐き気をこらえて舌を動かす。
それに応えるように僕を見ながら河野さんが腰を動かす。
何度も吐きそうになりながら必死で舌を絡める。
「ううっ、こんなにうまいってことは、淫乱って話は、本当だったのかぁ。その口、どうなってるっ。もう出そう。南野っ、でるでるっ」
びゅるびゅるっ
口の中に生暖かい物が吐き出された。
人間の精子は空気に触れなければあの不快な匂いはしない。
息を吸わないようにはきだせば、ダメージは少ないはずだ。
そう思っていたのに、口のなかからその塊は出ていく気配がない。
それどころか一度縮んだそれは口の中でムクムクとまた膨れ上がってきた。
「うううっ」
吐き出したくてたまらない。
「南野、のんだ?俺またたっちゃった。今度はちゃんといれてあげるからね」
猫なで声でそう言った河野さんが、もう気持ち悪い存在にしか思えなくて、塊が口からでていった瞬間に、僕は、口の中の唾液と出されたものを横を向いてシーツに吐き出した。
生臭い匂いが立ち上る。
口の周りに残っているような気がするけど両手は縛り上げられたままで拭う事も出来ない。
「汚いなぁ。次はちゃんと飲めよ」
理不尽にそう言いながらも体勢を変えた河野さんが僕の足元に移動する。
そして僕の両足を高々と持ち上げる。
「どれどれ、へぇー。淫乱のわりにきれいなピンク色だなぁ。ひくひくして女みたいだ。」
両手を結ばれたまま両足を肩につくまで折り曲げられて体が痛い。
「河野さ、もう、もうやめてください。お願いします。」
体のどこもかしこも痛くて声を出すのもやっとだけど、懇願するように言う。
見下すような目つき。蔑まれるのは慣れているはずだけど、何年も上司だったこの人にそんな顔で見られるとは思ってもみなかった。
この勢いでは何もせずに突っ込まれそうだ。そんな事をされては酷い事になってしまう。
女性のそれと違って、男の体は自然に濡れるような体の造りにはなっていないのだ。
でも、どう見てもそれを知っているようには思えなかった。
「そんな心にも無いこと言ってかわいいね。」
そして言葉さえももう通じない。
どうしよう。恐い。気持ち悪い。
体が小刻みに震え出すのをもう止められない。
ガタガタ震え出した僕を見て、ためらった河野さんが僕の足から手を離した。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
43 / 155