アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
夢うつつ_2
-
煽ったわけじゃない。
そんな顔、なんてどんな顔なのかわからない。
わからないから、そんな顔でも仕方ないよね?
その黒い瞳を見つめ続けながら唇を近づける。
息を飲むような気配がして、ゆっくりと目を閉じた。
優也さんの唇が降りてくるのを期待しながら待ってみる。
予想していたよりも熱くて柔らかい唇があたって
触れられた所から熱が広がる。その存在を確かめたくなって、うっすらと目を開けると
眉間に皺を寄せた優也さんが目の前にいて、その唇を僕に与えてくれていた。
嬉しくなった僕は、そっと舌を優也さんの唇に割り込ませる。
すんなり通してもらえたそこは外側の唇よりも温度が高くて、溶かされそうだった。
優也さんの舌を見つけて、ちろちろと舐め回す。
この人の熱は僕を熱病の患者にしてしまう。
「ふっ、う、はぁっ、あっつい…」
体が熱い。
唇を合わせながら僕はパジャマのボタンを外していた。
どうして欲しいか、言わなくてもいいような気がしたんだ。
ベットに沈められて、優也さんの唇が首筋を滑り降りていく。
胸の突起に触れられた途端に電気が走ったような気がした。
「ああっん、あうっ、そこっ、いやぁっ」
体がぴくぴくと反応してしまって、全然いやじゃない事を伝えている。
「どう、いやなんだ?」
舐め回しながら息をふきかけてくる優也さんは、そこを責める手を緩めない。
唇ではさみ、舌でつつき、そうして膨れた先端を飴を食べるようにしゃぶりつく。
「あっ、あっ、」
それに翻弄されるように跳ねる体。そこだけの刺激で完全に下半身が立ち上がっている。
とろとろと先端から液体が流れおちて隠そうとした自分の手を濡らす。
そのまま扱いてしまいたくなって自身をぐっと握ると、その手は掴まれて優也さんの肩に置かれてしまった。
「ううんっ」
刺激を求めて腰が揺れる。
優也さんの肌に触れたくて、シャツをほんの少しだけめくり上げてみる。
脱がせようとした自分の行動がどうしようもなく恥ずかしい事に思えて、たくし上げて服の中に頭ごと入って顔を隠す事にした。
目の前に優也さんの素肌があって、我慢できずに了解もとらずに舌を這わせる。
同じ男なのに体のつくりはどうしてこうも違ってしまうんだろう。
引き締まった脇腹を伝ってすべすべの肩甲骨を夢中で舐めているとくぐもった笑い声が聞こえる。
「愁、どうした。飢えてるのか」
「飢えて、ます。優也さんが欲しくて、たまらない。」
シャツの中に入り込んだ僕の顔は見えないからと、強気になって本心を答える。
どんな解釈をしたのか、さらに小さく笑われてしまう。
優也さんの指が背中を撫でる。くるくると指で遊ぶように。
そのまま窄まりに落ちて行って、既に熱を持っているその場所に到達する。
いつの間に準備したのか、優也さんの指にはローションが塗られていて、それで入り口をぬるぬると擦られる。
「んっ、あっ」
指がすんなり後ろに吸い込まれるように入ってくる。
目に見えない部分なのにだんだんそこに近付いてくるのがわかる。
じわじわと、ゆっくりだけど的確に優也さんが僕の中をさぐっている。
「ふぅっん、ああっ」
到達したその場所は、ダイレクトな刺激として体の中心に伝わる。
押し込めるように刺激を与えられる度に、優也さんの鎖骨に噛み付いて歯形を残した。
「っ、んんっ、あ、あっ、いいっ。きもちい、いっ」
僕が喘ぐ度に優也さんの鎖骨に歯形が増える。
気付かれているだろうか。
こんな些細な事が嬉しくてたまらない。
頬をすりつけるようにして、ますます調子にのって歯形を残していると
「限界だ。いい加減、顔見せろ。」
僕を覆っていた優也さんのシャツがはぎ取られる。
まだ明るい部屋の中で鎖骨についた歯形が妙に目立ってしまっていて、自分のした事ながら恥ずかしくて目をそらせる。
そんな僕を見て、また眉間に皺を寄せる。
「自覚もなくそんな顔をするもんじゃない。」
ぐっと距離が縮まって唇が降ってくる。
暖かい。熱がある僕より暖かいなんてこの人こそ体調悪いんじゃないだろうか。
「じゃあ、そんな恐い顔しないでください」
「わかってる」
わかってない。と反論しようとした僕を落ち着かせるように
ゆっくりと舐め回されて、合わせた時と同じように優しく離れて行く唇。
目で追っていくと優也さんの真っ黒い瞳に辿り着く。
その瞳の中には、ゆらゆられ揺れる光が見えた。あれは欲情の光。
それが見えると、急に落ち着かない気分になって目をそらしたいのにそらせない。
そして気付く。この人が欲しい気持ちが大きくなっている事に。
そしてそれは言葉にしないと伝わらないって事を、今はわかってる。
大きく息を吸って吐き出す。
今日こそ目をそらさないできちんと伝えるんだ。
どきん、どきん
心臓がうるさい。
僕はこの人が、この人の全部が欲しい。
これが夢の中だとしても、この手に触れたい。抱きしめたい。
「優也さんが、好き、です。」
吐き出した言葉は戻せないから受け止めてくれないと困ってしまうんだけど。
優也さんは目を見開いて僕を見下ろしている。
突然はーっと空気を吐き出して微笑んだ。
「ああ。お前は俺のものだから。絶対どこにもやらないし、誰にも渡さない。」
ぐいっと足を開かされて、優也さんの昂りが入ってくる。
急な動きについていけなくて、優也さんにしがみつく
「んああっ」
熱くて熱くて、触れた所からとろとろになっていくような不思議な感覚
体を揺すりながら少しずつ押し入ってくる。
感覚はもう全部預けてしまってある。
いつ溶け出してもおかしくないくらい熱くなった体。
触れたところから快楽が流し込まれているような感覚。
「愁、息はいて、力抜いて」
「んっ、は、あっあっ。」
こうなってしまうともう体は自分の言う事なんて聞きはしない。
快楽を追いかけるだけだ。
何か言っている優也さんの唇を自分で奪っておいて、上顎を舐められて体の力が抜ける。
その瞬間を待っていたかのように、優也さんが一気に奥まで貫いてきた。
「ああっ、はぁぁんっ」
自分の声じゃないような甘い声に目眩がしてくる。
揺すられるだけ揺すられて、声をあげるその行為に酔いそうだった。
「やけに食いついてくるな。持ってかれそうだ。」
苦しそうな声がする。
自分でもわかってた。やたらこの人肌が心地いい事。
意識に関係なく、蠢く体内。
どこまでも深く飲み込もうとする意識。
体中の全部でもっともっと、と欲しがっている
「優也さん、優、也さん。」
うまく伝えられるとは思ってない。
でも、少しでもわかってもらいたかった。
お腹の中はもう優也さんでいっぱいで。
これ以上どうしたらいいのかわからないけど。
この熱を余すことなく手に入れたくて。
手を伸ばす。
そして唇に指を這わす。
優也さんが中で質量を増したのか、さっきより苦しくなる。
「煽るな。優しくしてやれなくなる。」
「…しなくていいです。優しくなんて、しないでっ。もっと、いっぱい、ください。」
小さく呻いた優也さんが唇に噛みついてくる。
全部溶けてなくなればいい。
舐めまわし合って、ぐるぐるする頭の中で意識が飛んでいきそうなってる。
「まだ飛ぶなよ。」
そう言われて強くしがみつく。
唇にも負けずに力をこめて。
全部取り込めるように、目一杯吸い付く。
体を突き上げる振動が激しくなる。
「んんああーっ、あーっ、も、いっちゃ、優也さん…一緒に、一緒にいきた、い」
伸ばした指をしっかり掴んで耳元で優也さんが名前を囁くように呼ぶ声が耳に届いた瞬間
熱い飛沫が体の奥で弾けた。
瞼の裏側で火花が散ったような光が見えて目がチカチカする。
ダラダラと続くような射精感に身を委ねて、優也さんに抱きしめられたまま目を閉じる。
「愛してる」
遠ざかっていく意識の中でかすかに聞こえたような気がした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
51 / 155