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サヨナラ_2
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僕は迷いながら優也さんの頬に触れた。
自分の腕に引き込むようにしながら、顔を寄せる。
この瞳に吸い込まれているんだと言い訳しながら。
唇を重ねると、そこから熱が渡される。
滑るように探るように、優也さんの舌が入ってきて体の中心がズシンと重くなる。
「ふっ、ううんっ」
舌先でつつかれて、応じるように口を大きく開ける。上顎をスルスルと舐められて、歯列をなぞって奥まで舐め回される。
優也さんの口から伝わってきた唾液を一滴もこぼしたくなくて、優也さんの舌ごと取り込んで唇を結んで飲み下す。
体の中に体液が入ったのを想像したら、それだけで達してしまいそうになって腰が揺れた。
それを知ってか知らずか、口の中で優也さんが暴れまわってたまらなくて僕は体を強くすり合わせる。
「はあっ、あっ、はぁっ」
苦しくなって、唇を離すとすぐにまた捕まえられて奪い取られてしまう勢いで唇に吸い付かれる。
「ふぅっ、んんっ」
そうして距離が近くなった分、体の触れ合う面積も広くなる。
触れた所が、だんだん熱を帯びてきて触ってもらいたくて腰を揺らすけど優也さんは、素知らぬ顔で口内で乱暴をはたらく。
舌をぬるぬると舐め上げて絡ませ、舌先をかじられる。
「んんっ、優也さんっ、触っ、て」
息も絶え絶えに言うと、オヤ?と目を開いて笑い出しそうな顔をしている。
「触ってるだろ?」
ーー!!
これは、焦らされているんじゃなくて遊ばれてるんだっ。
わかっていても、揺れる体を抑えきれない。自分で弄ってしまいそうになる。
「っ…こ、こ。触って、ください。」
我慢できずに優也さんの手を誘導する。
自分で当てたくせに大きく体が跳ねてしまって、自分の手が優也さんのモノにあたる。
「愁は俺のを触ってくれるのか。」
引こうとした手を優也さん自身に押し当てられるままに握りしめる。
熱い。ドクンドクンと脈打っているそこは、別の生き物みたい。
「自分にもついてるのに、そんなに珍しいか?」
からかうように言われたけど、目が離れてくれなくて。頭に浮かんだ、自分の欲望。
それはこの間、望まない形で望まない相手に強要された行為。
あの時は体の中まで汚染されたような気がして吐き気がとまらなかった。
思い返したくもない出来事。
お互いのモノをその手に握りしめたまま、固まった僕に優也さんが笑いかける。
「悪い。そんなかわいい反応されると思ってなかった。無理するな。」
手を外そうとする優也さん。その笑顔をしっかりと目に焼き付ける。
声に出せないお願いをしながら、無言のまま握りしめた掌に顔を近付ける。
先端に唇を寄せようとすると、肩をつかまれて止められた。
「愁、やめろ。そんな事しなくていい」
と。
違う、違うんです。
僕は…
「知りたい、です。優也さんの…だめ、ですか?」
断らないでください。
お願いだから。
僕の顔を見ながらため息をつく。
やっぱり、男に舐められるのはイヤなんだろうか。
その仕草に涙がにじんで視界がぼやける。
「だめじゃない。嬉しいくらいだ。」
目の縁を指でぬぐってくれた。
舐めたい。味を覚えておきたい。
その一心で口を寄せる。
雄の匂いと塩気が口中に広がる。
先端の窪みに舌を入れてみると、じわっと液体が出てきて夢中で舐めとる。
全身を循環する水分に、優也さんの体から出た液体が混じったと思うと体中が熱くてたまらない。
同じ事をしていても相手が違えばこんなに感覚は違う。
少しでも記憶しておきたくて。
もっともっと、と体が欲するままに喉の入口まで押し込む。それでも全部は収まりきらないけど、自分の口中が優也さんに犯されてる気分になる。
「ふぅっ、っはっ、」
勝手に息が上がってしまうけど気にならない。
唾液をたっぷり絡めて舐め回す。
「愁、気持ちいい?こぼれてるぞ。」
と自分のソコを撫でられる。
指が触れた所から水音がしていて、刺激が耳を通して伝わってくる。
「んんーっ」
優也さんを見上げると、一瞬目を丸くしてから微笑まれた。
「気持ち、い、い」
そう言って優也さんを、うっとりと見上げながら舌を出して舐め上げて口に含む。
ムクムクと膨れ上がって口だけでは抑えられなくて、手を添えて軽く扱いてみる。
僅かに顔をしかめた優也さんが小さく呻く。
ゆっくりと、髪を撫でられると、そこにさえ感覚があるように感じる。
じゅるっ、じゅるっ
上下にさする唇から音が響いて、今この人に触れているのは僕だけなんだって実感する。
溢れる蜜を取り込みながら、舌に力をこめる。
形を口で覚えるように舐めながら、どこもかしこも触っておきたくて、その下にある袋にも指をのばす。
息をのんだ優也さんの顔もその反応も全部全部、覚えていたいから、目を離さないまま舌を動かす。
あの出来事が今この瞬間のために起こったのなら、さらわれたのも悪い事じゃなかったのかもしれない。
ぎゅっと胸が締め付けられるような感覚。
今だけは誰よりも優也さんの近くにいて、誰よりも密着している。
これは独占欲、というものかもしれない。
優也さんの、欲情しきった瞳が見える。
その時、その一瞬で、満たされない何かが満たされたような気がした。
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