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暗い夜 愁_2
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深い深いため息が聞こえる。
それはシャワーの音とつながっていてどこまでも続くような音
「愁。お前は俺の一番大切なものだ。勝手に死ぬなんて絶対に許さない。」
それはとても甘美な響き。
でも僕は疑ってしまう。
「いつまで、ですか?」
小さな声で聞き返したその質問に驚いたのか、少し笑って
「期間が必要なのか?そうだな。俺が飽きるまで。だな」
そう冗談のように言って視線を合わせた優也さんは僕の唇に触れる。
その答えに僕はまた不安になる。
飽きるまで…隣にいられる。
飽きたら…捨てられるんだ。
それは、都合のいい夢の続きのようで足元がまたふわふわ揺れ始める。
バシャバシャと頭からお湯をかけられて、拭うように頬に、唇に、指が触れる。そしてその動きは首で止まる。
きっとネクタイの跡をなぞっているんだろう。
それは見た目程、痛くない。
むしろ、触れられる感触にぞくぞくする。
「何考えてる。」
「気持ちいい。優也さんの、指」
僕の答えにふっと鼻で笑って首筋に今度は舌を這わせる。
「二度と他人に委ねるな。愁がいらないなら俺がもらってやる。」
どくん、どくん
止まって欲しいと願った心臓が暴走するように高鳴る。優也さんの手を取って首にあてる。
「飽きたら…僕に飽きたら。殺してくれませんか」
馬鹿な事を言ってるってわかってる。でも
「おねがい、です」
自分の指に力を入れる。皮膚に優也さんの指がめり込む。いっそこのまま…
この人にやってもらえるなら、そんなに嬉しい事はない。
それが今でも構わない。
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