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暗い夜 愁_4
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「わかってるのか?もう死ぬまで逃げられないんだぞ。」
耳たぶを齧りながら優也さんが囁く。
くすぐったさに肩を震わせながら負けずに首筋に唇をつける。
「逃がさないで、ください。優也さんしか、見えないみたいだから」
言った自分が恥ずかしくて、つい力がこもる。
慌てて首筋から唇を離そうとすると逆に頭ごと押しつけられる。
「そんな事いつまで言ってもらえるだろうな。やっぱりヤダって泣いても、もう遅いからな。」
僕はそんな子供に見えるんだろうか。
何だか癪で、もう一度首筋に唇を押し当てる。
それじゃ足りなくて、大きく口を開いた。
ぺろりと舐めると微かに優也さんの匂いがして、もっともっと欲しくなる。
「ふっ、くすぐったいな。」
そう言われて、今度は少し横向きにガブリと噛みついてみた。
肩がほんの少し揺れて、見上げると優也さんが目を細めて見ている。
噛みついた皮膚に歯形がついていて、自分の体にたくさんつけられた赤い花びらのような痕を思い出した。
少し下を向いて自分の体を見下ろすと、今も鮮やかに点々とついている。
真似したくなって、唇をつけたまま強く吸い込んでみた。
ちゅうっ、と音がなって優也さんの皮膚が唇に密着した。それが嬉しくて苦しくなるまで吸い込んだ。
限界まで吸い込んで唇を離すと、予想していたより大きな痣がついてしまっていた。
しまった。やりすぎた…
でもこれは、初めてつけたキスマーク。
消えるまでは一緒にいられるといいな。
「お揃いだな。」
僕の体にいくつもついている赤い花びらを1つずつ数を確認するみたいになぞる。
指先を目で追いかけていると、その長い指がお湯から上がって優也さんに向かって行く。そのまま追いかけると黒い瞳にぶつかって、また吸い込まれていく。
ゆらゆらと水面が揺れて反射した光がその瞳に映し出される。
見惚れるくらい綺麗で。男の人に使う言葉かどうかわからないけど、頭の芯が溶かされそうになる。
その瞳に入り込みたくて、視界を邪魔する指先を捕まえる。
握ったその手はがっしりと大きくて、つい頬を押し当ててしまう。
予想していたより高い熱が伝わって、うっとりと目を閉じると唇にも熱が分けられた。
唇をゆっくりと舌でなぞられて口を開く。
するするっと入ってくるそれを喜んで取り込む。
細胞が全部揺らされて、体の奥で何かがきゅうっと締め付けられる。
「ま、って。うがい、させてください。」
さっき、させられた行為を思い出す。
汚いモノを口にした。
「飲むなよ」
そう言って優也さんが蛇口から水を出し、直接口に含む。
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