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朝の風景_2
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奪い取るようにズボンとパンツを脱がされてしまって、肌掛け毛布を手繰り寄せようと懸命に腕を伸ばすと、腕ごと捕まってしまった。
「何で隠す?」
心底わからないのか、意地悪で言っているのか…
「っ、恥ずかしいから、です」
合わせた瞳は優しい光を帯びていて、胸が高鳴る。
昨日も今日も、優也さんは優しくて、優しくされるほど自分の情けなさが際立って泣き出しそう。
目を逸らして俯くと、額に唇が落とされた。
「じゃあ俺も脱ぐから、ほら。手、離して。」
躊躇いなくパサリと部屋着を脱いで毛布を剥ぎ取られる。
隠れる場所もなく、途方に暮れると自分の立ち上がってしまっている下半身が目に入る。慌ててよそを向くと今度は全裸の優也さんで視界がいっぱいになってしまった。
無駄の無い筋肉。逞しい腕。健康的な肌色。
僕のとはまるで違う。骨格から、もしかしたら体内に詰まっている物まで違うのかもしれない。
あの腕に抱かれて眠っていたかと思うと、いたたまれなくなる。
動けなくなっている僕を片手で肩口に引き寄せる。
目の前に広がる分厚い胸板に頬を寄せてみた。
とくんとくん、と鼓動が聞こえて当たり前の事なのに安心して目を閉じる。
両腕を優也さんの背中にまわして、強く抱きしめてみる。
するりと背中側から手が入れられて、僕も裸にされてしまってすぐに唇を塞がれる。
触れるだけの軽いキス。たぶんこれは、俯かせないため。
勇気を持って顔をあげると、すぐにまた唇にぶつかった。
今度は逃がさないように舌を出して優也さんの唇を舐める。
それは、ふんわりと受け入れられてその口の中で弄ばれていく。
吸われて、食べるみたいに甘噛みされて、くすぐったいような変な感じ。
合わさった唇からは相変わらず熱が伝わっていて今にも溶かされてしまいそう。
「そんな顔、俺以外に見せるなよ。」
「そんな余裕、ないです。優也さんしか、いらない」
そう言うと、驚いたみたいに目を開いた優也さんが僕を覗き込む。
その視線に耐えられなくて、胸の中に飛び込んで行く。
頭上から、はぁーっと長いため息が聞こえて強く抱きしめられた。
「そんなかわいい事言うなよ。ただでさえ理性がやばいっていうのに。」
僕はまた何か間違えたんだろうか。
溜め息って不安になる。
「ご、ごめんなさ」
「ちょっと待った。」
謝ろうとした僕を遮って
「愁、今日から、ごめんなさい。禁止な」
なんでですか?と聞こうと思ったけど、あまりに真剣な顔で聞き返せなかった。
わからないけど、僕のごめんなさいは、優也さんの気分を害するのかもしれない。
小さく頷いて優也さんを覗き込む。
「じゃあ、僕のお願いも聞いてください」
「お願い?」
不思議そうな顔。
「ため息禁止にしてください。」
そう言うと、ふふっと笑って頬を撫でられた。
「わかったよ。他には?」
「…じゃあ、シャワーを」
今度は頬に唇をつけながら笑い、ひょいっと抱え上げられた。
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