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買い物
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まだ4月だっていうのに、日差しが強くて外を歩くと日差しがジリジリする。
奏介さんとの待ち合わせで大型の本屋に向かう。
人の往来が多い道を離れない距離で優也さんと歩く。
「卵と牛乳とお米は必須ですよ。買って帰りましょうね。」
「あのキッチン持て余してたんだ。使いこなしてくれ。」
そう言われた事で、あの部屋で一緒に暮らすという出来事が
現実なんだと実感する。
「僕、勉強する事たくさんあるみたいですね」
料理が得意という訳ではないし誰かに食べてもらうなんてほとんど経験が無い。
「愁が作る物ならなんでもいい」
目を細めてそう言う優也さんが眩しくて、僕も目を細める。
なんでもいいって言われても困るけど…
ちょうどいい機会だし、料理の本も買ってこよう。
横目で優也さんを見ながら歩いていると横からスッとポケットティッシュが差し出されて
振り払うのも悪いような気がして受け取る。
「ひっ」
渡されたティッシュを何気なく見て、思わず声をあげてしまう。
「どうした?」
「っ。なんでもないです。」
隠すようにポケットにティッシュを捩じ込む。
背中を冷たい汗が流れる。
立ちすくんでしまいそうな足を真っ直ぐ歩かせて
待ち合わせの書店のビルに入っていく優也さんを追う。
ビジネス書を置いているのが最上階らしいので、エレベーターに乗り込む。
外側がガラス張りになっていて、ぐんぐん上昇していくのが見える。
見下ろすと歩いてきた道が見えて、さっきまで歩いていたはずのその道が遠ざかる。
自分がもたれた、こちら側のガラスだけが抜け落ちればいいのに。
ポケットに手を入れて握りつぶす。
握った掌が汗ばんでいるからか、音はしなかった。
ティッシュの裏側に仕込まれていたのは1枚の写真。
全裸の僕が四つん這いにされて口と後ろに雄を受け入れている写真。
体格と髪の長さから、高校卒業前の物だろう。
これは……
こんなものを持っている人物は1人しかいない。いないはずだ
どうして…
どうして今頃になって僕にかまうの…
アノヒトの玩具になんてもう戻りたくない…
2度と…
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