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束縛_優也
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やり過ぎた。
ぐったりした愁を膝に抱えて、そう思った。
でも、元はと言えば素直じゃないからこうなったんだ。
昔の事なんて気にしないのに秘密にしようとする。不安で仕方ないだろうに、そう言わない。
あんな写真1つで震える程取り乱して、それなのに自力で解決しようとでも思ったんだろう。
あの写真…
あれは学生の時だと言っていた。
上気しているように赤い背中はよく見れば複数のミミズ腫れに覆われて
それに続く臀部は掴まれたんだとわかる爪の痕がクッキリいくつもついている。
男根を前と後ろから突き刺されて虚ろな目線の愁。
薬でも盛られていたんだろうか。
同意の上でない事が想像に容易い。
昔の事はまだ何もわからないが、ハッキリ言える事がある。
俺の愁に二度とあんな事はさせない。
誰にも触らせないし、どこにもやらない。
愁だってそう思ってると信じてる。
過去なんて関係ないと言いながら過去を意識している自分がいて。
信じていると言いながら、逃げられないようにと抱き潰して体力を奪っている。
こんな子供じみた真似をした事を後悔しながら、チラリと愁の顔を覗く。
意識を2回も飛ばされた癖に、うっすら微笑んで見える表情を浮かべて。
くっそ。
男のクセに可愛いすぎるんだよ。
か弱いくせに強がりで、そこらの女より隙がある。
抵抗するって言葉を知らないんじゃないか。
モヤモヤする。
この原因はわかりすぎるくらいにわかってる。
…
ただの嫉妬だ。
ナツヒコとの過去に何があったのか、と言うより
ナツヒコとの過去を引きずっている愁に…
何年も前の出来事なのに、今も支配されているかのような恐怖心。
それを忘れでもしない限り自分だけの愁にはならない気がして。
それが無性に腹立たしくて防犯用の手錠で繋いででも近くにいて欲しくて。
この体も気持ちも全部自分の物だと主張したくてキスマークで覆った。
何も考えられないようにトロトロに溶かして忘れさせてしまおうと体を撫で回し続けていたはずだったのが、乳首だけで達する敏感な体と溢れる涙に煽られてこっちが夢中になって。
触れば触る程、続ければ続ける程かわいい反応を示す愁をどこもかしこも自分の色に染めてしまいたくて、やめられなくなっていた。
その挙げ句がこの状態だ。
なんとかして愁を過去から引っ張り上げなければ。
こんな風に抱き続けるなんて愁の体力が保たないだろう。
自分の欲望だけでも抑えがきかないって言うのに。
愁の呟く「好き」がどこか儚げで消えてしまいそうで
それが恐くて何度も名前を呼んだ。
閉じた瞳の奥で何を思っているのか知りたくてその瞳を見つめ続けて
とろけた瞳で俺を見てくる事が嬉しかった。
手を離せばどこかに行ってしまうんじゃないかと思えて苦しくなる。
こんなに思っているのに、愁はこの口で嫌わないでと願うように呟いた。
言葉にしなければ伝わらないとはいえ、俺はそんなに薄情に見えるんだろうか。
そこの所は、目が覚めたらもう一度言い含める必要がありそうだ。
昨日の感じからすると、強引に連れ去られる可能性もある。
厄介事はできるだけ早く片付けたい。
幸いな事に探偵から新たな情報を入手できたと連絡をもらっていて、それが役に立つ内容である事を願う。良い知らせか悪い知らせかわからないが…
愁の体の後処理をしてやって、布団を掛ける。
すやすやと眠りに落ちている愁に吸い寄せられるように唇をつけると
自分まで眠くなってきた。
「愛してる」
俺の体液が愁の中にどんどん溜まっていって
言葉が少しずつ蓄積していつか、愁の中での真実になるといい。
何を知っても手放すつもりなんかないのだから。
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