アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
2
-
速見は扉のすぐ隣に壁に凭れるように腰掛け、その隣を「ここに座れ」と示すように手で叩いた。
「・・・」
その態度が気に食わない。
示された場所からわざと大股に3歩くらい離れて俺も腰掛けた。
「・・・」
速見はその態度が気に食わないらしく、その距離を詰めるように体を寄せていた。
またそれから逃げるように避けたが、イタチごっこになる未来が簡単に予想できたから、それ以上避けるのは諦めて鞄から弁当を二つ取り出した。
「どーぞ」
「ん」
そのうちの速見の分を差し出すと、速見は妙に大切そうに両手で受け取る。
ついでに、心なしか瞳が輝いている気がする。
「開けていいか?」
「・・・どーぞ?」
口はへの字に曲げている癖に、楽しそうに急かすように巾着袋を広げる。
その手をコッソリ気にしながら俺も巾着袋を開けるが、内心かなり緊張していて手が変に滑る。
弁当を見られるなんて初めてじゃないし、毎日教室で広げて食べているはずだ。
でも、形は崩れてないかなとか、嫌な顔されないかなとか、気になって仕方ない。
高鳴る胸を落ち着けているうちに、速見がついに弁当箱を開けた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
10 / 73