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「気になってたんだよな。昨日から・・・普通ビビるモンじゃねーか?俺みたいな不良に絡まれたら」
まぁ確かに、普通はビビるよな。
速見の見た目は、黒髪ではあるが、短く切り込まれているせいで目つきの悪さと眉上や耳朶に開けられたピアスが際立つ。
見た目の荒さに加えて、速見には嫌な噂もある。目を合わせただけでボコボコにされたとか、大人数を相手にした喧嘩に独り勝ちしたとか、噂に頓着しないタイプの俺でさえ知っているくらいだ。
でも、まあ
「別に、お前くらいでビビるかよ」
「ぶはっ・・・言うね、お前」
わざとらしく胸を張って強気に言ってみせると、速見は吹き出すように笑った。
「意外だな。そんな生意気な奴だとは思わなかったぜ」
「お前こそ、結構笑うんじゃん。意外だねぇ」
顔を見合わせ、互いに挑発するようにニヤリと笑ってみせた後に
「ぶっ、はは!」
「ふふっ、」
「「アハハハハッ!!」」
2人揃って、デカイ口を開けて盛大に笑った。
なんだ。結構ノリが合うな。
速見と話すのは、楽しいかもしれない。
「ははっ、いやーなんか、本当に思ってた感じと違うよな、お前って」
「なんだよ。どんなイメージだったわけ?俺って」
「だってさ、昨日『俺の女』になれなんて言われてさ、割とビビってたんだぜ?俺掘られるんじゃねーかってー」
笑いながら冗談混じりに言うと、何故か、速見から笑顔が消えた。
「そうだけど?」
「・・・あ?」
目が、本気だ。
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