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腹を抱えて笑う俺を見ながら、眉間に皺を寄せて不機嫌そうに唇を尖らせる速見だが、その頬は未だに赤い。
いい加減、笑うのをやめようと口元に手を当ててみても、やっぱり吹き出してしまう。
「あー、もう・・・そろそろ笑うのやめろっての」
「ふふっ、ごめんってば・・・っ、ぶははっ!」
はぁ…と、速見が深くため息を吐く。
さすがに呆れられたかなと顔を上げると、口元に当てていた手を掴まれ、ぐっと速見の顔が近付いた。
息が触れそうな距離に体を固める。
「いい加減にしねーと、キスするぞ」
かち合った目は真剣で、その目で見られると、ゾクリと背中の辺りが震えた。
「ふっ、はは・・・」
一瞬消えた笑いが、またこみ上げてきた。
だが、それは速見が照れたことに対してじゃない。
この状況を、かなり楽しんでいる自分がいるからだ。
「いーぜ。してみろよ」
馬鹿にするように、挑発するようにわざとらしく胸を張って言った。
速見は俺の態度が予想外だったのか大きく目を見開いて、それから鋭い獣を宿すような目付きで俺の目を見る。
「・・・言ったのはお前だからな。後悔すんなよ」
「はっ、後悔させてみろよ」
速見は俺の手を握り直すと、そのまま引っ張られて足早にどこかへ向かい始めた。
見るからに余裕がないのがわかる。
人目も気にせずに手なんか繋いでるし、その手は汗ばんでいる。
一言も言葉を交わさないまま、たどり着いた先は小さな公園だった。
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