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昂るナニか
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何故公園なんだと疑問に思ったが、その疑問はすぐに解けた。
公園をさらに奥に進んだ先に、木々の中に隠れるように古いトイレがあったからだ。
まともに掃除もされていないようだったが、使われてもいないせいでそこまで汚くはなかった。
そのトイレの奥の個室に連れ込まれ、壁際に立たされる。
「ふははっ、トイレに連れ込むとか、速見ってけっこースケベなんだな」
「るっせーぞ。黙ってろ」
ずっと繋いだままの手を引かれ、速見の顔が近付いく。
受け入れるように両目と閉じると、柔らかくてカサついた唇が触れ合って、すぐ離れる。
「お前さ、嫌じゃねーのかよ」
『何が?』なんて聞かなくてもわかる。
男同士で気持ち悪くねーのか、とか俺相手で嫌じゃねーのか、とか、言いたい事は速見の表情から読み取れた。
「今更かよ」
こみ上げてくる笑いを堪えながら、今度は俺から速見にキスをする。
唇を重ねたまま目を開けると、目を真ん丸くして驚く速見が目の前にいて、唇を合わせたまま息を漏らすように笑ってしまう。
「・・・後悔するぞ」
「させてみろって」
互いの呼吸が触れ合う距離で、低く甘い声音で挑発し合い、何度も何度も唇を重ねる。
舌すら絡めない、触れて、軽く吸いつくようなキスは擽ったくて、個室の中に響く互いのリップ音が気恥ずかしい。
「っ、はぁ・・・」
擽るようなキスだけじゃ物足りなくて、息をするために薄く開いていた唇の隙間から舌を差し入れる。
それに少し戸惑うように肩を跳ねさせたけど、拒むような仕草はせず受け入れるように、速見は口を開いた。
「っ、ん・・・っふ、んむ・・・」
速見の口の中は熱くて、舌が擦れ合うだけで頭が溶けそうなほどの熱に浮かされるようだった。
「・・・甘い・・・」
「ん?」
僅かに離れた唇の隙間から、小さな独り言のような声が漏れる。
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