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ムッと唇を尖らせる横顔につい笑いながら、いつもより短く感じてしまう時間はすぐに終わりを告げる。
「そろそろ教室戻るか。速見もちゃんと授業受けろよ」
「あー、ダリーしサボる」
「アホ。ちゃんと授業受けとけって」
だるそうに壁に凭れる速見に釘を刺し、立ち上がろうとした。
「あ、待って」
その腕を掴まれて、足を止める。
首を傾げて速見を見ると、その顔が近付く。
「最後に、キスしていいか?」
妙に真面目な目で見つめられれば、断るなんてできるわけもなく。
「・・・あー、うん。・・・いいよ」
そう答えながら、腕を掴んでいる手に、自分の反対側の指を絡めて握り、目を閉じる。
「・・・」
「・・・」
鼻先に速見の鼻が擦れて、擽ったさに肩を竦めた直後に、柔らかい感触が唇に押し当てられる。
数秒ほど重なったまま、特にアクションもなく唇は離れた。
触れるだけのキスが、妙に気恥ずかしくて、手を握りあったままで微妙な空気が流れる。
キスなんて別に初めてじゃないけど、速見が相手だとどうも恥ずかしい。
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