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込み上げてくる気だるさに、軽くため息をついて頭の後ろを掻く。
「まぁ、そん時はしゃーねーな」
速見に呼び出された時だって、殴られるか喧嘩売られるかって考えた。
・・・速見と関わる時点で、何かしらの事件沙汰に巻き込まれる事になったんだ。
ますます、平穏無事な日常から遠ざかっていくのを実感していく気がして、どっと疲れが増してくる。
「仲良くなったのって、速見からお前に近づいたってことか?」
「あぁ、そうだけど」
素直に答えると、三國の眉間の皺が深くなった。
「それさ、お前の昔を知ってて近付いたんじゃないか?」
「昔??」
三國の言葉に首を傾げたのは俺じゃなく橘だ。
「なに?昔って・・・二人とも、昔から知り合いだったの?」
「お前には関係ないだろ」
・・・そんな突っぱねた言い方しなくても良いだろ。
橘に対して冷たい三國の態度に苛立ちを覚えつつ、教室の前にある時計に目をやり、一歩後ずさる。
「悪い。これからバイトだから」
時計の針は程よい時間を指していて、俺はすぐにそこから踵を返した。
「おい」
去り際に三國に呼び止められて振り返る。
「別に、お前のこと心配してるわけじゃねーけど・・・何かあるなら相談しろよ」
意外な発言に目を丸くすると、その隣で橘はさらに意外そうな顔をしていた。
そんな俺たちの視線に到堪れなさそうな顔をして、三國はさっさと教室の奥に戻って行った。
そのあとを橘が「ミクちゃんがデレた!!」とか叫びながら、同じく教室へ戻っていく。
「なんだ、いい奴じゃん」
コッソリ呟いて、また廊下を歩きはじめる。
だけど、モヤモヤと嫌な気分が膨れ上がるような内心じゃあ、三國の言葉はイマイチ響かなかった。
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